第八十五部第一章 国防省への忠告その九
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「やはり」
「そうだな、だが」
「それでもですか」
「中央政府としてはな」
「賛成でもですね」
「それを無償で渡す訳にはいかない」
こう八条に話した。
「やはりな」
「認めるにしても」
「見返りを要求する」
「手ぶらでは渡さないということですか」
「連合ではだ」
まさにというのだ、この国では。
「それはない」
「だからですね」
「一旦反対を言っておく」
「そしてですね」
「そこから交渉に入りだ」
そしてというにだ。
「そのうえでな」
「見返りを手に入れてですね」
「認める」
その様にするというのだ。
「そうしていく」
「左様ですか、私はどうもです」
八条は自分の政治家としてのタイプから話した。
「そうした交渉はです」
「苦手か」
「どうにも」
自分でこう話した。
「自覚しています」
「君はそうした交渉はか」
「どうもです」
キロモトに対して述べた。
「苦手で」
「それでか」
「これからです」
まさにというのだ。
「学んでいきます」
「そうした交渉のこともか」
「そう考えています」
「そうか、ではな」
「どうも昔からです」
「そうした交渉はか」
「裏のことになりますと」
表の交渉はともかくというのだ、実際に八条は交渉も表のことに限るのなら非常に優秀で校章上手である。
だが裏はというのだ。
「どうも」
「だからだな」
「学んでいきます」
「そう思うならだ」
それならとだ、キロモトは八条に話した。
「今はな」
「見ておくことですね」
「はっきり言わせてもらうと実際君は裏のことには向いていない」
八条自身に告げた。
「どうもな」
「そちらのことはですね」
「不向きであり」
そしてというのだ。
「また適性もだ」
「ないですか」
「どうもな、だが知っておくとな」
例え不向きでもというのだ。
「少なくとも知識は備わっているのだから」
「仕掛けられてもですね」
「対することは出来る、とはいっても君は謀略には強いか」
「仕掛けることは出来ないですが」
今のところはそうでもとだ、八条は答えた。
「これまで仕掛けられたことはあります」
「政治もっと言えば人の世では常だな」
「確かに政治の世界では謀略が付きものですね」
「そうだな、しかしな」
「人の世はですね」
「何も政治の世界だけとは限らない」
キロモトは落ち着いた声で述べた、人間というものはしがらみがありその中で謀略もあるというのだ。
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