第七十六話 次の日も会ってその二十七
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「これからは」
「そういうことでね」
「じゃあ明日もですね」
「いさんでいってくれるわね」
「そうさせてもらいます」
こうした時新一君は素直です、それで笑顔で応えてくれてから私にまた明日と言ってから詰所を後にしました。
その彼を見送ってから私は白石さんの奥さんに言いました。
「新一君もひながたのことはわかってるんですね」
「いい人を見てひながたにすることね」
「はい、それはわかるんですが」
「それがあの子の癖性分なのよ」
「ついつい嫌いな相手を意識することですね」
「そうみたいね。それが随分強い子ね」
新一君の場合はというのです。
「嫌いな相手がいたらよ」
「嫌い抜いてですね」
「全力で否定してね」
白石さんの奥さんも言われました、色白で小柄で嫌いな人です。
「それでなのよ」
「ああはなるまいとも思うんですね」
「それで自分を律しているけれど」
「やっぱりそれよりもですよね」
私は言いました。
「いい人を見ての方がいいですよね」
「私もそう思うわ」
「そうですよね」
私は強い声で頷きました。
「それだけでかなり違いますね」
「いい人のことを見るだけでもね」
「そうしたらいい人のことばかり考えますしね」
そうもなるからです。
「新一君は兎に角嫌いになると止まらないですから」
「それもよくなるわね」
「そうですね、あの好き嫌いの激しさを思うと」
特に嫌いな人を徹底的に嫌うことはです。
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