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『曹徳の奮闘記』改訂版
第八十四話
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 美羽がにこやかに言うけど、確か雪蓮の量はかなり残ってるはずじゃあ……。

『是非それで御願いしますッ!!』

 途端に酒飲みズが叫ぶ。

「見事過ぎる最敬礼やと……」

 普段からちゃんとしとけばええのに……。

「今から我等は死地に入るッ!! 行くぞォッ!!」

『オォォッ!!』

 雪蓮の叫びに酒飲みズは雄叫びをあげて部屋に向かった。

「敵は本能寺にありッ!!」

「……長門、それは違うよな?」

「何となく言いました。電波感じたし」

 去っていく酒飲みズにそう叫んだ俺に焔耶がツッコミを入れた。

 だって何か電波来たし。

「……これが普段から出来ていれば……」

 冥琳が頭を押さえながら溜め息を吐いた。

「……頑張れ冥琳……」

「……何か面白いところだな」

 翠がそう呟いたのであった。

 それからの二刻、雪蓮達はある意味での戦争をしていた。

 二刻が過ぎて俺と焔耶が雪蓮達の戦争する部屋に行くと、雪蓮達はやりきった表情をしながら死屍累々となっていた。

「無茶しやがって……」

 ネタを呟きながら俺と焔耶は雪蓮達を宴会場へと移送した。

 ま、一応仕事はやったからな。





「では新たな仲間の加入を祝って……乾杯なのじゃッ!!」

『乾杯ッ!!』

 今は宴会中だな。

「……酒が……酒がこんなにも美味しいなんて……」

「全力で片付けたかいがあったものじゃな……」

 雪蓮が涙を流しながら酒を飲み、祭は遠い目をしながら飲んでいる。

「……日頃からしていればいいものを……」

 冥琳が頭を押さえながら溜め息を吐いた。

「……冥琳、今日は飲めや。愚痴は聞いたるからな」

 俺は冥琳の御猪口に酒を注ぐ。

 ちなみに酒屋の親父が作ったどぶろくですはい。

「……私の愚痴は多いぞ?」

「覚悟はしてるよ」

 それから二刻は冥琳の愚痴を聞いていた。

「聞いてるのぉ長門ぉ」

「聞いてる聞いてる」

 俺の目の前には泥酔したロッタがいる。

 ロッタはこれまた酒屋の親父が作ったスルメを食べながら言う。

 くっちゃくっちゃ五月蝿いわ。

 ちなみにこのスルメは酒のつまみとして呉で爆発的な人気をしている。

 俺はチーズやビーフジャーキーがええんやけど、流石に酒屋の親父も作れないらしい。(酒屋を営みながら肴も作ってるからな)

 材料があれば作れるらしいけど……手配してみるか。

「ん? 翡翠が見当たらないな」

 さっきまで雪蓮と飲んでいたのに……。

 探しに行くか、ついでに厠に行きたかったしな。









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