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ドリトル先生の落語
第五幕その八

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「もうね」
「何が何かわからなくて」
「日本語に思えない位よね」
「もう何から何まで癖が強くて」
「実際に聞いてもわからないよ」
「それが昔の鹿児島弁でね」
 それでというのです。
「凄いよ」
「全くだね」
「あの方言は凄いね」
「日本語の個性の強さがわかるね」
「実に」
「全くだよ、あの方言はね」 
 本当にというのです。
「別格だよ、あと津軽のね」
「ああ、青森だね」
「あそこの方言も凄いんだよね」
「鹿児島弁も凄くて」
「あちらも」
「そうだよ、西郷隆盛さんの方言も凄かったけれど」
 昔の鹿児島弁もというのです。
「それで太宰治さんもね」
「ああ、あの人もね」
「小説家さんの」
「あの人は津軽生まれだから」
「あそこの言葉喋ってたね」
「そうだよ、それでわかりにくかったんだよ」
 その喋っている言葉がというのです。
「本当にね」
「それでだね」
「色々思うところがあったんだね」
「あの人は」
「そうなんだ、しかしそんな訛もね」
 先生はあらためて思いました。
「この人はね」
「上手でね」
「流暢に喋っていて」
「問題ないね」
「いい落語だね」
「バラエティのお笑いなんてね」
 それこそというのです。
「全くだよ」
「相手にならないね」
「適当に作った番組の適当なお笑いとは」
「何もかもが違うね」
「根本から」
「あんな手抜きで有名になりたいだけのとはね」
 まことにというのです。
「違うよ、まさに笑わせる」
「その心があるよね」
「この人のお笑いには」
「落語で笑わせる」
「それがあるね」
「だから観客の人達も笑ってるね」
 寄席に来たというのです。
「そうだね」
「そうそう、ここぞっていう場面でね」
「笑ってたね」
「そうだったね」
「最後も拍手だったし」
「こうしたのがお笑いだってね」
 先生はしみじみとして言いました。
「思うよ」
「テレビは違うね」
「やる人の目も笑ってないしね」
「そもそもね」
「そうだしね」
「目が笑ってなかったら」
 お笑いをする時にというのです。
「そもそもおかしいからね」
「そうそう」
「そうその時点でね」
「どうかってなるからね」
「面白いこと言ったら自分も笑うよね」
「やっても」
「それがお顔だけ笑っていてね」 
 そしてというのです。
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