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第三十五話 質問その八

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「そうした時はね」
「僕達のところにいられないですか」
「そうした時もあるのよ」
「そうですか」
「そうですね、それは仕方ありません」
 一人壁に背をもたれかけさせ戦いを見ずにコートのポケットに手を入れて立っている星史郎が言って来た。他の面々は颯姫の近くでモニターの前に集まって二組の闘いを見守っている。神威と封真もそうしている。
「人の社会では」
「そうですか」
「そうです、ですから」
「今はですか」
「あの人がおられなくても」
 それでというのだ。
「受け入れることです」
「人それぞれの事情があります」
 遊人が??に話した。
「そういうことですよ」
「そのことを知ることですか」
「そうです、そして気遣うこともです」
 このこともというのだ。
「大事です」
「人は」
「はい、??君も覚えておいて下さい」
「そうします」
 ??も約束した、そして。
 ここでだ、星史郎は急にだった。
 壁から離れてだ、こんなことを言った。
「行っていいでしょうか」
「戦いに?」
「行きたくなったので」
 こう庚に述べた。
「いいでしょうか」
「構わないけれど」
 庚はまずはこう答えた。
 そのうえでだ、彼に言った。
「また急ね」
「そうしたくなったので」
「だからなの」
「今から」
「そうなのね」
「僕が行きますと」
 星史郎はさらに言った。
「動きますね」
「戦いが?」
「そして運命が」
 こちらもというのだ。
「そうなりますから」
「だから行くのね」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「颯姫さんと封真君にもです」
「今戦っている二人にもなの」
「そろそろ潮時なので」
 このこともあってというのだ。
「僕が援護をして」
「退いてもらうのね」
「そうしてもらいたいので」
「そう、ではね」
「行ってきます」
 こう言ってだった。
 星史郎は出て行った、すると。
 議事堂でだ、戦いを見守っていた天の龍達の間からだった、昴流がこんなことを言ったのだった。
「行って来るよ」
「まさか」
「はい、感じました」
 動き出し自分達に背を向けた彼に顔を向けて問うた征一狼に答えた。
「あの人が動いたと」
「だからですか」
「あの人には僕が向かわないと」
 だからだというのだ。
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