第三十五話 質問その四
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「俺が勝てばだ」
「お前について来いだな」
「小鳥と共にな」
「わかった」
神威は真剣な顔で答えた。
「そうしよう」
「お互いにな」
「なら今からな」
「戦おう」
二人共言葉と視線を交えさせた、そうしてだった。
互いに跳び退く形で宙に舞い上がった、そこから右手を突き出し衝撃波を放つ。そのまま激しい空中戦に入った。
護刃は身構えたまま犬鬼と共にいる、颯姫はその彼女に問うた。
ここで宙にモニターが出た、颯姫はそこに顔を出してビーストの画面を見つつそこに映っている護刃に言ったのである。
「貴女とお話したいことがあったわ」
「私もです」
「ええ、貴女とがこのお話は一番いいと思ったから」
「私は颯姫さんと縁を感じまして」
護刃はそれでと答えた。
「それで、です」
「そうなのね」
「はい、もっと颯姫さんのことを知りたくて」
「私を知っても何もならないけれど」
「いえ、それは違います」
「違うかしら」
「颯姫さんを見ていますと私にないものを感じますので」
だからだというのだ。
「ですから」
「そう言われると私もよ」
「颯姫さんもですか」
「私にないものを感じるわ」
「そうですか」
「だからお話したいことがあったの」
そうだというのだ。
「貴女とね」
「お互いということですね」
「ええ、けれど戦うわ」
こう言うとだった。
その場に地中から生える様に無数の機械の太い触手が出て来た、そして一本一本が意識がある様にだった。
護刃に襲い掛かる、護刃はそれに対して宙に舞い上がり犬鬼と共に力を放ちそれで触手に迎撃した。颯姫はその彼女に言うのだった。
「こうしてね」
「そうですね、お互いそうした立場ですから」
「天の龍は一人でも多く倒さないといけないし」
それでというのだ。
「ここはね」
「私と戦って」
「再起不能になってもらうわ」
「そういう訳にはいきませんけれど」
「なら戦いなさい、触手を攻撃すればビーストもダメージを受けて」
今動かしているそれがというのだ。
「それが限界に達すれば動かなくなるわ」
「そうですか」
「そしてビーストが動かなくなったら」
そうなった時のこともだ、颯姫は話した。
「私は戦いを止めるわ」
「そして私の勝ちになりますか」
「そうなるわ」
こう言うのだった。
「そしておそらくビーストが破壊されれば」
「颯姫さんもですか」
「操縦席にいるから」
そのビーストのというのだ。
「爆発に巻き込まれてね」
「そうですか」
「だからね」
それでというのだ。
「貴方も敗れれば死ぬかも知れないし」
「颯姫さんも同じですね」
「そうなるわ、その生死を賭けながら」
そうしつつというのだ。
「戦いましょう」
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