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第三十五話 質問その三

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 封真は跳び上がり高層ビル群の方に行った、護刃はそれを見てからそのうえで神威に対して言った。
「封真さん本当にです」
「地の龍になる前と変わらないな」
「そうですよね」
「あいつはあいつだ」 
 神威は護刃に答えた。
「俺もそうであってよかったと思っている」
「優しいですね」
「そうだな、だが最近思う」
「思う?何をですか?」
「あいつは地の龍の中にいてな」
 そうしてというのだ。
「その中の仲間意識をな」
「持っていますか」
「俺もそうだしな」 
 神威もというのだ。
「天の龍の中にあってな」
「よく言われてますね、最近」
 護刃は神威のその言葉に頷いた。
「そういえば」
「そうだな、皆と一緒にいたい」
「そうしたお気持ちになってきていますか」
「そしてあいつもな」
 封真もというのだ。
「自然とな」
「地の龍の一人として」
「仲間意識を持ってきているな」
「そうなんですね」
「そうした意味で敵味方だな」
 今の自分達はとだ、神威は難しい顔になって述べた。
「本当に」
「それじゃあ連れ戻すことは」
「必ずやり遂げる、闘いを終わらせてもとなるなら」
「終わらせますか」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「連れ戻す」
「そうですか」
「その為にもな」
「これからですね」
「ビル群のところに行こう」
「わかりました。行こう犬鬼」
「ワン」
 護刃は頷き今も隣にいる犬鬼にも声をかけた、すると犬鬼も鳴いて頷いそのうえで主と共に跳び上がった。
 二人は封真の気配の流れを追った、そうしてあるビルの屋上で向かい合ったが。
 そこで封真にだ、神威は問うた。
「もう一人は何処だ」
「颯姫さんですよね」
 護刃も言った。
「あの人ですよね」
「そうよ、わかっていたのね」
 姿は見えない、だが颯姫の声がした。
「私だと」
「機械と聞いたので」
「機械。コンピューターね」
 颯姫はすぐにそれだと察した。
「私が動かしている」
「コンピューターとまではわかりませんでしたが」
「そうよ、ビーストというけれど」
「そちらを使って戦われますか」
「そうするわ。では行くわね」
「はい、私も」
「では俺達もだ」
 神威は犬鬼と共に真剣な顔になって身構えた護刃を横目で見つつ封真に言った。
「戦うか」
「ああ、今からな」
「言っておく、俺が勝てばだ」
「お前についていくだな」
「そうしてもらう」
「俺も同じことを言わせてもらう」 
 封真もこう返した。
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