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神々の塔
第三十五話 道教の神々その十

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「しかしな」
「滅茶苦茶強くてやな」
「恰好いいこともな」
「書いてるな」
「そうしてるからな」
「項羽さんが好きやったのは明らかで」
「名場面も書けたんや」
 自著で一番と言えるまでのだ。
「四面楚歌をな」
「そやねんな」
「ああ、そしてその項羽さんが暴いたな」
「驪山陵の中をやな」
「今私達は進んでるということや」
 正確にはそれを模した階をとだ、リーは内心思いつつ述べた。そうして後ろから襲おうとしていたモンスター達を振り向き様に術を放って言った。
「戦いつつな」
「驪山陵にはおらんかったもんもおるが」
 シェリルも言ってきた。
「しかしな」
「それでもな」
「私達は今驪山陵の中におる」
「そう思うとな」
「風情があるな」
「ほんまな」
 リーはシェリルにも話した、そして。
 先に進んでいき十王の階に入ると早速赤い中国の裁判官の服を着た如何にも恐怖を象徴したかの様な顔の大男が言ってきた。
「よくぞ来た、我等が十王だ」
「はい、それで貴方は閻魔さんでしょうか」
「ははは、よく言われるが違う」
 大男の神霊は綾乃の言葉に笑って応えた。
「わしは都市王という」
「その人ですか」
「我等十王は顔も外見もそっくりだ」
「そうですね」
「しかしだ」
 それでもとだ、都市王は言うのだった。
「名前も柄どっている場所もな」
「ちゃいますか」
「性格も個性もな」
 そうしたものもというのだ。
「それぞれだ」
「そうなんですね」
「そしてだ」
 都市王はさらに言った。
「これより順番にだ」
「戦っていくことになりますね」
「試練としてな、ただ負けてもだ」
 都市王は笑ったままこうも言った。
「これは裁判ではないからな」
「罪に問われることはないですか」
「そうだ」
「そうですか」
「無論勝てば先に進める」
 こうなることも話した。
「そうなる」
「そうですか」
「だからだ」
「安心して戦えばええですね」
「むしろ遠慮は無用だ」
 ここでも笑って話した。
「いいな、ではだ」
「これよりですね」
「戦うぞ」
「わかりました」
 綾乃が一行を代表して応えてだった。
 そのうえで戦に入った、ここで芥川が言った。
「十王さん達は死者やないが」
「冥界の裁判官やからな」
 中里が応えた。
「そやからな」
「属性は死や」
「そやな、ほなな」
「回復系の術が効果がある」
「そや、人としてのゾンビやマミーとちゃう」
 中里もそれはわかっていた。
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