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ハッピークローバー
第九十五話 蚊に刺されないことその三

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「お池や運河にお魚多いでしょ」
「それでボウフラ食べてるのね」
「それでこの学校蜻蛉多くて蛍もいるでしょ」
「そうそう、蜻蛉って蚊食べるのよね」
 かな恵が言ってきた。
「それで蜻蛉がお空飛んでるのは」
「蚊とか小さな虫を狙っていてね」
「獲って食べてるのよね」
「だから雑草が繁っていて蚊が多いと」
「そこに蜻蛉も来るのよね、それでね」
 かな恵はさらに言った。
「蜻蛉の幼虫のヤゴもね」
「ボウフラ食べるしね」
 蚊の幼虫をだ。
「それで蛍の幼虫もね」
「蚊を食べるから」
「うちのお池や運河にそうした虫も多いから」
「それでよね」
 こう話したのだった。
「蚊も食べられてるわね」
「そうよね」
「それで蚊も少ないのね」
「天敵もいるから」
「蝙蝠だっているし」
「そういえば」
 タイの娘は蝙蝠と聞いて言った。
「蝙蝠も蚊を食べるのよね」
「だからね」
 かな恵はタイの娘にこう返した。
「蚊の目玉のスープってあるわね」
「中華料理の珍味ね」
「あれは蝙蝠の出したものから取るから」
「ああ、目玉だけ消化されないから」
「出たそれをね」
「食べるのね」
「スープにしてね」
 そうしてというのだ。
「食べるのよ」
「そうだったわね」
「まあちょっとね」
 かな恵は少し微妙な顔になって話した。
「私としては出したものだから」
「食べたくないのね」
「抵抗あるわ」
 こう言うのだった。
「どうもね」
「そうなのね」
「けれど蝙蝠が蚊を食べることはね」
「それもわかるわね」
「蝙蝠って実は血を吸うのはね」
「そうそう、チスイコウモリだけで」
「虫とか果物を食べるから」
 蝙蝠の種類によって食べるものは違っている。
「怖がることもないのよ」
「そうなのよね、まあタイでもね」
 タイの娘はここでこう言った。
「蝙蝠いるけれどね」
「そうよね」
「ちょっとそのことは忘れていたわ」
 蝙蝠が蚊を食べることはというのだ。
「残念ながらね」
「そうだったのね」
「いや、けれどね」
 かな恵にあらためて言った、この時無意識だがかな恵の胸を一瞬だけ見てやはり大きいと思ったのは言わなかった。
「蝙蝠もいるから」
「夜跳んでるからね」
「それで蚊を食べてくれてるから」
「昼は蜻蛉が食べてくれてね」
「うちの学校蚊が少ないのね」
「しかも寮の中もペープマットとかあるわよね」
「あるわよ、あと冷暖房完備で」
 タイの娘はこのことも話した。
「基本閉めてるわ」
「だったらね」 
 それならとだ、かな恵は話した。
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