第九十五話 蚊に刺されないことその一
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第九十五話 蚊に刺されないこと
かな恵は今クラスにいた、そこでクラスメイトの一人に言われた。
「まだ蚊取り線香とか必要よね」
「ああ、そうよね」
かな恵もそれはと応えた。
「蚊がいるからね」
「そうでしょ、だからうちは昨日の夜もね」
「蚊取り線香使ったのね」
「そうしたのよ」
「あとペープマットとか」
「そっちもあるけれど」
家にというのだ、このクラスメイトは自宅通いであるのでこう言ったがかな恵もこのことをよく知っている。
「うちは基本蚊取り線香なの」
「そっち使ってるの」
「ペープマットの匂いがね」
これがというのだ。
「家族皆あまり好きでなくて」
「それでなのね」
「基本はね」
「蚊取り線香なのね」
「ええ、それでね」
その蚊取り線香を使ってというのだ。
「蚊に刺されない様にしてるの」
「そうなのね」
「そうそう、気を付けないと駄目よ」
タイから来ている娘がここで言ってきた。
「蚊はね」
「マラリア？」
「日本じゃあまりないけれど」
クラスメイトにこの病気の話をするのだった。
「マラリアって怖くて」
「蚊に刺されてなるのよね」
「だからね」
そうした事情があるからだというのだ。
「蚊はね」
「要注意ね」
「マラリア舐めたらいけないから」
タイの娘はこうも言った。
「冗談抜きによ」
「死ぬ病気よね」
「そうよ」
「あれよね」
かな恵はマラリアと聞いて言った。
「アレクサンドル大王も」
「そうでしょ、あの人もね」
「マラリアで死んでるのよね」
「物凄い英雄だったけれど」
まさに人類史に永遠に名前が残るまでのだ。
「一匹の蚊に刺されてね」
「マラリアに罹って」
「それで死んだのよ」
「そうよね」
「個人としても物凄く強かったらしいけれど」
常人離れした身体能力を持ち剣術も馬術も相当なものだったという。
「一匹の蚊に刺されてね」
「お亡くなりになったから」
「本当にね」
「蚊には要注意ね」
「まず刺されない」
第一にというのだ。
「それが大事よ」
「そうよね」
「あと出来るだけ涌かない様にすることよ」
蚊がというのだ。
「水溜まりとかない様にしてお池とかにはね」
「そうそう、お魚飼うといいのよね」
クラスメイトも言って来た。
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