第四十五章
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「僕達の時間にね」
「ああ、皆でな」
「それでデンライナーの中で」
「パーティーよ」
「いいなあ、パーティーか」
三人の言葉を聞いて顔をあげる。デンライナーに足を進めながら嬉しそうな顔になっていた。
「あの時はそんなこと考えられなかったな。碌でもない目にばかり遭っていて」
「何言ってるのよ、良太郎の運のなさは今もでしょ」
「そうよ。ここに来る前だって」
またハナとコハナが言う。
「自転車で派手にこけて」
「しかも鉢植えまで頭に受けて踏まれて」
「それは変わってないんだ・・・・・・」
「変わったのは良太郎自身よ」
「僕自身・・・・・・」
今のハナの言葉は意味がわからなかった。それでついつい問う。
「それってどういう」
「強くなったってことよ」
「そうだな」
ハナのその言葉に桜井が頷く。
「野上は確かに強くなったな」
「そうなんだ」
「心がね。強くなったわよ」
「その心があれば不運なんて平気よ」
コハナは良太郎の胸を叩いてみせた。
「全然ね」
「だったら僕はこれからも皆で」
「不運に負けないで戦っていきましょう」
「うん」
最後に満面の笑顔で頷いた。そのうえでデンライナーに乗り込む。電王達とイマジンの戦いはこれで完全に幕を降ろしたのだった。
デンライナーが発進し戦士達を元の時代に送る。今戦いは元の時間に戻るのだった。
三日後ーーーー。
良太郎はミルクディッパーにいた。そこで姉の手伝いをしている。
「いやあ愛理さん」
「今日もお美しい」
二人は相変わらずだった。見事なまでに変わっていない。
「いや、今日はむしろ」
「さらにお奇麗!?」
尾崎と三浦も愛理に夢中だった。横に良太郎がコーヒーを置いたことにも気付いていない。見れば客達はかつて良太郎やイマジンに世話になった者達ばかりだ。武道家もいれば夫婦もいるしシンガーもサッカー少年もいる。皆この店に引き寄せられているようである。
「あの、コーヒー」
「おお良太郎君」
「君も元気そうだね」
二人は良太郎に気付いて彼に声をかける。
「最近どう?」
「悪霊はもういないよね」
「悪霊ですか」
三浦の言葉に微妙な顔になる。
「だってあれはやっぱり」
「三浦君」
いつものように尾崎が気取って彼に言ってきた。
「だから男には色々な顔があるんだよ」
「何っ、僕の目を否定するのかい?」
「君の占いって当たったことあったかな」
「僕は霊能力者だ」
一応はそうなっている。
「占いも確かにやれるけれど」
「当たるの?」
「当たるさ」
ムキになって断言してみせる。
「この前だって相川君と天音ちゃんをだね」
「相川君も騙され易いからねえ」
実は彼が元何であったのかを知ることなく付き合ってい
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