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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第170話:騎士の拒絶
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ら出たまともな理由。それを聞いたプレラーティと、何時の間にかその傍に移動していたカリオストロは思わず呆気にとられた。

「そんな理由で……?」
「もしかしなくてもおバカなの?」
「放っとけ。それにさっき言ったのもデタラメじゃねえからな? 諸々の因縁はともかく、あんなのをほったらかしにするのは寝覚めが悪い」

 照れ隠しなのか、それとも本気でそう思っているのかは定かではないが、兎に角どんな理由にせよ颯人はサンジェルマンが苦しんでいるのを放っておくことは無かったと言う事だ。それを理解してサンジェルマンは笑みを浮かべる。

「本当に、親子なのね…………2人共、帰るわよ」
「え?……まぁ、サンジェルマンがこんなんだし、そろそろアルカノイズも全滅しそうだしね」
「次に会った時はこうはいかないワケダ」

 流石にこれ以上戦うつもりは無いのか、カリオストロ達もサンジェルマンの指示に大人しく従い転移結晶を砕いてその場から姿を消した。

 その直後、マリアが現場に駆け付ける。

「ガルド、皆! 大丈夫? 透は?」
「おぅ、マリア! アタシと颯人はとりあえず無事だ。颯人はこんなんだけど……」
「流石にもういいぞ、奏?」
「そうだ、トオル!?」

 レギオンファントムの襲来、サンジェルマンへの被害、そして颯人の不調など、様々な要因もあって倒れたまま放置されていた透。マリアが来た上にサンジェルマン達が後退してくれたおかげで、ガルドも透の方に意識を向ける余裕が出来た。急いで駆け寄り軽く起こしてやると、透は瞼を震わせて目を開いた。見たところそこまで大きな怪我は無いらしい。

「ふぅ、良かった。お前の身に何かあったら、クリスに対して顔向けできないからな」

 心底安心した様子のガルドが何気なく呟いた言葉。それに対し透は、思わず気まずそうに視線を逸らした。こんな状況でも、クリスに対して一定の引け目を感じているらしい。

 その様子を見て、颯人は自力で立ち上がりながら顎に手を当て思案した。

「ふぅむ……」
「どうするんだ、颯人?」
「どうにかできないかしら?」

 颯人が考え始めると、奏とマリアが何かを期待するような目を向けてきた。2人からの視線を交互に見比べ、自分は別にメンタリストでもないのにと内心苦笑しながら頭の中で算段を立てていく。

「ま、久々にお悩み相談室と洒落込むかね?」

 尤もそのターゲットは、透ではなくクリスの方だが。

 そんな事を考えながら、颯人は先程までサンジェルマン達が居た所を何気なく眺めた。
 先程サンジェルマンのアンダーワールドで垣間見た、彼女の過去の一部分。低い身分の者として虐げられ、ゴミのように扱われた過去。

 恐らくサンジェルマンの行動原理の根幹をなすのはそこだろう。ア
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