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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第170話:騎士の拒絶
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ルドの2人でカリオストロとプレラーティを何とかしなければならなくなる訳だが、それが杞憂で済む事は次の瞬間明らかになった。
「うぅ……」
「サンジェルマンッ!」
「ぅ……あぁ、プレラーティ?」
「そうだ。大丈夫か?」
「えぇ……彼に、助けられたわね」
そう言ってサンジェルマンが颯人の事を見ると、プレラーティは苦い顔をした。サンジェルマンを助けられた事は素直にありがたいが、しかし相手が颯人と言うのが気に食わないらしい。それは忌むべき魔法使いが相手だからか、それともサンジェルマンが一目置いている颯人が相手だからか……恐らくその両方だろう。
気持ちが収まらないのか、プレラーティは感謝も述べず鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。別に感謝されたくてやった訳では無いので、その反応に颯人は小さな溜め息と共に軽く肩を竦めた。
「一つ、聞かせてちょうだい。何故助けたの?」
唐突にサンジェルマンが問い掛けてきた。颯人達とサンジェルマン達は言うなれば敵同士であり、しかもサンジェルマンはしつこく颯人の事を勧誘してきた。彼にとっては煩わしい相手の筈なのに、それでも尚危険を冒して助けてくれた事が理解しきれなかったのだ。
そう問い掛けられると困るのは颯人の方だ。前述した通り、別に感謝されたいからやった訳ではないし、恩を売りたかったわけでもない。そもそも颯人の中ではサンジェルマンはまだ敵……と言うには少し印象がぼやけているが、少なくとも完全に相容れる事は無い存在と言う認識である事は間違いなかった。
「何故って言われてもな〜。放っとけなかったから……で、いいか?」
「真面目に答えるワケダ」
「十分真面目なんだけど……」
考えた末に捻り出した答えだが、プレラーティにはお気に召さなかったようで不満そうな顔で返された。対する颯人も、考えた末に出した答えをにべもなく否定され顔を顰めた。どうやら本気で疲れてきているらしい。思考が何と言うかやっつけ気味になって来た。
「大丈夫か、颯人?」
「ん〜〜〜〜…………あ」
思わず心配する奏を他所に、乱暴に頭を掻き毟る。と、そこで颯人は何故サンジェルマンを助ける方向で考えが働いたのかに対する答えを見つけた。あまり意識していなかった、だが彼にとっては重要な理由。
それは…………
「まぁ、大した理由じゃないけど……あれだな。父さんの知り合いだから、かな?」
「え……?」
「あんた、父さんの知り合いなんだろ? 昔の父さんの話を聞ける貴重な相手だ。居なくなられたら困る」
誰よりも尊敬する父の、まだ見ぬ一面を知っている人物。それは颯人にとって黄金よりも価値のある人物だった。その一人であるサンジェルマンを、あんな形で失う訳にはいかなかったのである。
漸く颯人の口か
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