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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第170話:騎士の拒絶
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たが、その姿をみてプレラーティが歯を食いしばりながらスペルキャスターの巨大けん玉をハンマーにして振り下ろした。サンジェルマンをつけ狙い、苦しめた相手が目の前に居るのだ。しかもその相手は運よく負傷した様子。このタイミングを狙わない手はない。

「死ねぇぇぇぇぇっ!!」
「ん? フンッ!」

 そのまま喰らえばファントムと言えどペシャンコに潰されただろう一撃。しかしレギオンファントムはそれをハルメギドの斬撃で作る亀裂で空間に縫い留める事であっさり防いでしまった。これでプレラーティは実質全ての攻撃手段を一時的にだが奪われた。

「貴様ッ!?」
「悪いが、お前の相手をしている暇はないんだ。今日はもう疲れたからな」

 そう言ってレギオンファントムはその場から去っていった。戦いの上で必須となるスペルキャスターを封じられたプレラーティは勿論、お互い対峙しているガルドとカリオストロの2人もその背を見送るだけだった。プレラーティはともかくとして、ガルドとカリオストロが動かなかったのは単純にお互いを牽制し合っていたからに他ならない。この時、どちらかが迂闊に動けばもう片方が即座に相手に襲い掛かる気満々だった。

――しかし、あのファントムの亀裂で空間に万物を縫い留める魔法はなかなかに厄介だぞ――

 カリオストロを牽制しながら、ガルドはレギオンファントムとの戦いのシミュレーションをしていた。兎に角厄介なのはハルメギドを用いた亀裂攻撃だ。あれをまともに喰らえばアンダーワールドに入りこまれて内側から心を破壊されてしまうし、アンダーワールドに入られなかったとしても体の一部を空間に固定されるのは面倒にも程があった。しかもあの魔法は、普通の攻撃の中に紛れ込ませる事が可能なのだ。おまけにこれと言った制約が無いように見える。

 冗談抜きで対抗手段が思い浮かばない。こういう時は颯人の悪知恵を借りようなどと考えていると、今度はサンジェルマンの上に魔法陣が浮かび上がりそこから颯人が奏に支えられながら出てきた。

「よっと! 颯人、外だぞ」
「ん、おぉ……サンキュー」
「ハヤト……!?」

 あの颯人が奏に支えられながら行動すると言うのは余程の事だ。ガルドは思わずカリオストロとの戦いを切り上げて颯人の元へと向かった。

「おいハヤト、大丈夫かッ!?」
「んぉ? あぁ、ガルド。何、大丈夫大丈夫。ちょっと、あれだ。疲れただけだから」

 そうは言うが、あまりただ疲れただけと言う風には見えなかった。肩で息をしている上に、自力で立つのにも難儀している様子。全力を出し過ぎて立てないほど疲れたという見方も出来なくはないが、奏が彼を心配する様子から疲れたの一言で済ますのは無理があるように思えた。

 取り合えず颯人は戦力にならなさそうだ。となると、奏とガ
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