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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第170話:騎士の拒絶
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ち砕いた。
「大丈夫、クリスちゃん?」
「あ、あぁ……」
窮地を脱した事に安堵するクリスだったが、まだ心の中では透を心配する気持ちと彼との接し方に悩む気持ちが鬩ぎ合って心此処に非ずと言った様子だった。
それを見兼ねてか、マリアがアルカノイズ達を飛び越えるようにしながら、透が倒れた場所へと向かっていく。
「透は私に任せてッ! あなた達はアルカノイズをッ!」
「はいッ!」
「……頼んだ」
マリアが透の救援に向かってくれると言う事で、一応の納得は見せたらしいクリス。だがその表情からは葛藤がありありと見て取れた。本心ではやはり透の元へと駆け付けたいのだろう。
だがマリアを始め、一部の者達はそれをさせないようにと心掛けていた。これは事前に颯人が年長組を集めて打合せしていた事だ。今の透とクリスは迂闊に近付けるべきではない、と言う。
今回の一件で嫌でも再認識させられたが、クリスは背伸びしているようで一度感情に火が着くと止まらなくなる直情型だ。そんな彼女を、精神が安定していない状況で迂闊に動かす訳にはいかなかった。
アルカノイズの群れを薙ぎ倒しながら最短ルートで透の救援に向かうマリアだったが、彼女達の危惧に反して倒れた透をプレラーティは無視した。今の彼女達にとってシンフォギアだ魔法使いだは全て二の次。最優先すべきはサンジェルマンだった。レギオンファントムにアンダーワールドに入られ苦しんでいる彼女を助ける事が、今の彼女達の最優先事項。
そのサンジェルマンの元へとプレラーティが辿り着く。透は元の姿で気を失っているし、ガルドはカリオストロにより足止めされている。邪魔をする者は誰も居ない。未だ苦しんでいる様子のサンジェルマンを、プレラーティが抱えてその場を離れようとした。
その時、サンジェルマンが一際苦しそうに声を上げると彼女の体を縦に割るように大きな亀裂が走った。
「ぐぅっ!?」
「なっ!?」
目の前で人の体に、それも敬愛するサンジェルマンの体に亀裂が走る光景に思わず言葉を失う。だが次の瞬間それ以上の驚きが文字通り飛び出してきた。
颯人と奏の攻撃により、撤退を余儀なくされたレギオンファントムが飛び出してきたのだ。
「くぅっ!」
「わぁっ!?」
いきなり眼前に異形が姿を現したので、流石のプレラーティも口から心臓が飛び出そうなほど驚いた。その驚きっぷりは、思わずサンジェルマンをその場に落としてしまう程だ。幸いな事にそこまで高く持ち上げられていた訳では無いので、落とされたサンジェルマンに怪我は1つも無かったが。
「くぅ、やってくれたなあの2人……!? だが、美しい……! こんなにエキサイティングなのは久し振りだ!」
1人興奮した様子のレギオンファントムだっ
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