第百十六話 交番に寄ってその五
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「これがね」
「そうなんですね」
「別に飲んでもね」
そのウィンナーコーヒーをというのだ。
「誰にも言われないし」
「悪いことじゃないですね」
「全くね」
こうも咲に話した。
「だからよ」
「私が飲んでいいですね」
「法律で誰が飲んでいけないとかね」
ウィンナーコーヒーをというのだ。
「聞いたことないでしょ」
「はい」
これまで話している通りにとだ、咲も答えた。
「ないです」
「誰が何を食べたらいけないとかね」
こうしたことはというのだ。
「日本では少なくとも法律ではね」
「定められていないですね」
「アレルギーはあって」
食べもののそれはというのだ。
「それで宗教的な戒律や思想はね」
「ありますね」
「けれど法律としてはね」
こちらではというのだ。
「ないから」
「私が飲みたくて」
「咲ちゃんが若しね」
先輩はこう前置きして話した。
「ウィンナーコーヒーを飲んではいけないとかいう宗教なら駄目だけれど」
「そんな宗教もあります?」
「モルモン教だとね」
キリスト教のこの宗派ならというのだ、アメリカに存在していてかなり厳しい戒律を持っていることで知られている。
「何でもコーヒーとかはね」
「駄目ですか」
「そうみたいよ」
「そうなんですね」
「けれど仏教とか神道とか」
「日本の宗教ではないですね」
「天理教とかでもね」
俗に新興宗教と呼ばれる宗教でもというのだ。
「特にね」
「ないですよね」
「今じゃ仏教でもね」
この宗教でもというのだ。
「お肉やお魚も」
「出されたら食べてよかったですね」
「そうよ、ただし残さない」
出されたものはだ。
「何でもね」
「食べないと駄目ですね」
「そうした教えだけれど」
それでもというのだ。
「けれどね」
「それでもですね」
「お肉やお魚を食べることは」
このこと自体はというのだ。
「いいしね」
「お坊さんでも」
「それで咲ちゃんも」
「ウィンナーコーヒー飲んでいいですね」
「むしろ飲んだら駄目って言う方がね」
そうした人の方がというのだ。
「おかしいわよ」
「そうですか」
「そう、あとね」
「あと?」
「ウィンナーコーヒーは生クリームが膜になるから」
コーヒーの上に乗せるそれがだ、大抵はケーキの上に乗せる様に巻いて置くのが普通である。これがクリープの役割も果たすのだ。
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