第百十六話 交番に寄ってその二
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「実はな」
「それで今は白砂糖が主流ですね」
「けれどな」
「黒砂糖も美味しいですね」
「試しに黒砂糖直接食べてみればいいさ」
砂糖自体をというのだ。
「そうすればわかるよ」
「いいですか?」
「試しに一個どうだい?」
咲に笑って話した。
「黒砂糖な」
「食べていいですか」
「ああ、いいよ」
やはり笑って答えた。
「お嬢ちゃんがいいならな」
「それじゃあ」
咲はマスターがいいと言ったのでだ。
それで実際にケースから出してそうして黒砂糖を一個食べてみた、そうしてよく味わって食べてからマスターに話した。
「美味しいですね」
「そうだろ」
「はい、白砂糖とまた違って」
「そうだろ、黒砂糖もな」
「美味しいんですね」
「これはこれでな」
こう言うのだった。
「いいんだよ」
「そうなんですね」
「元々サトウキからはな」
砂糖を生み出すこの作物からはというのだ。
「こっちが採れるんだよ」
「黒砂糖がですね」
「それを精製したのがな」
それがというのだ。
「白砂糖でな」
「また違いますね」
「ああ、それで黒砂糖もな」
「こちらはこちらで美味しいですね」
「そうなんだよ」
「そうですね、よくわかりました」
咲は確かな声で答えた。
「黒砂糖もですね」
「美味しいんですね」
「そうさ、だからコーヒーや紅茶に入れてもな」
それでもというのだ。
「美味いんだよ」
「そうですか」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「これからはな」
「白砂糖だけでなく黒砂糖もですね」
「用意するからな、気が向いたらな」
その時はというのだ。
「こっちも使ってくれよ」
「わかりました」
咲はマスターの言葉に頷いて黒砂糖を入れたコーヒーを楽しんだ、それは確かに美味かった。そのコーヒーを飲み終えてだ。
交番に行くとだ、その前にあの警官が立っていた。咲はその景観を見てそっと交番の方に行ってだった。
「こんにちは」
「こんにちは」
咲の挨拶にだ、警官は笑顔で応えた。そのうえで。
咲はただ通り過ぎたがそれで充分だった、そうしてからアルバイトに行ったが。
始終にこにことしていてだ、先輩に言われた。
「何かいいことがあった?」
「あっ、いえ」
言われてはっとなって気付いて応えた。
「何も」
「ないの?」
「はい、これといって」
「そうなのね。学校でいいことあったかもってね」
「思ったんですか」
「咲ちゃん凄く嬉しそうだから」
それでというのだ。
「そう見えたわ」
「そうなんですね」
「美味しいもの食べたか」
若しくはというのだ。
「イケメンと知り合いになれたか」
「イケメンですか」
「それも桁外れのね」
「まあそれは
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