暁 〜小説投稿サイト〜
X ーthe another storyー
第三十四話 外宴その十六
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「星史郎さんは」
「善人、いい人になるな」
「そうね」
 封真のその言葉に頷いた。
「紛れもなく」
「そうだな」
「またそう言われますが僕は悪人ですよ」
 薄い微笑みを浮かべてだ、星史郎は颯姫に言葉を返した。
「自分で思うには」
「貴方がそう思っていても」
「実際にはですか」
「違うんじゃないですか」
「そうですか」
「主観と客観は違う場合があって」
 そうしてというのだ。
「そしてそのことは」
「僕についてもですか」
「そうじゃないかしら」
 こう言うのだった。
「そう思えてきたわ」
「そうですか」
「私はそう思えてきているから」
 星史郎が善人とだ。
「地の龍は皆ね」
「いい人ですか」
「そうよ」
「果たしてどうか」
「俺は感じません」
 封真が星史郎にここでこう言った。
「星史郎さんから禍々しいものは」
「そうですか」
「むしろすっきりとした」
 そうしたというのだ。
「清らかなものを感じます」
「私もよ」
 庚もだった、ワインを手に星史郎に顔を向けて話した。
「貴方にはドス黒い淀んだ様な」
「悪いものはですか」
「俗に悪と言われる様なね」 
 そうしたというのだ。
「嫌な悪は感じないわ、悪いもの自体もね」 
「感じないのですね」
「そうよ」
 全くという言葉だった。
「封真と同じよ」
「だから何かあれば」
 封真は一歩彼の方に踏み出して言った。
「駆け付けます」
「そうして助けてくれますか」
「仲間であって」
「僕がいい人なので」
「そうさせてもらいます」
「・・・・・・似ていますね」
 封真の今の言葉を聞いてだ、星史郎は優しいが寂し気な笑顔になって言った。
「封真君も他の皆さんも」
「似ている?」
「そう思いました」
 こう言うのだった。
「お二人に」
「お二人、まさか」
「おっと、口が滑りました」
 今度は僅かだが苦笑いになって述べた。
「気にしないで下さい」
「ではこれ以上は」
「発言を控えます」 
 そうするというのだった。
「この場では」
「そうですか」
「食事とお酒に専念します」
 こう言うのだった。
「この場では」
「わかりました」
「では次はアイスクリームを食べますか」
「クーラーボックスの中にあるわ」 
 庚が笑って言ってきた。
「だからね」
「そちらを開けて」
「そしてね」
「いただきます」
「そうしてね」
「アイスクリームも好きでして」
 星史郎は笑って話した。
「いただきたくなりました」
「私もよ。では皆食べたい人はね」
 庚は仲間達に話した。
「それぞれね」
「ああ、俺もいただくな」
 草薙も言ってきた。
「アイスも貰うな」
「俺もです」
 封真も
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ