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ウェンディside
ガチャッ
しばらく進んでいくこと数分、どれだけの扉を開いたのかは覚えていないけど、今開いた扉の先はこれまでとは少し違っていました。
『ウェンディ選手!!ゴール到着ですカボ!!』
入った瞬間は今までの部屋でしたが、すぐにそこが光輝いたかと思うと先ほどまでの密室から突然開けた空間へと転送されます。そこが闘技場だと理解するのはすぐでした。
『ウェンディ選手は二位!!8ポイント獲得です!!』
そのコールと共に拍手に包み込まれます。どうやら一夜さんの方が先にゴールしていたようで、私は惜しくも二位になってしまったみたいです。
「ウェンディ!!」
残念な気持ちになっていたところ、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきます。そちらを振り返るとそこには駆けてくる水髪の少年と、その後ろからは皆さんが小走りに来ていました。
「お疲れ様!!」
「きゃっ!!」
走ってきた少年は押し倒そうとしているのではないかというほどの勢いでそのまま抱き付いてきました。これにはさすがに踏ん張れずに倒れてしまいます。
「あ!!ごめんウェンディ!!」
「ううん。大丈夫」
彼も勢いが突きすぎたことに反省しているみたいだったので私は笑顔で返すと、彼はすぐさま起き上がり私に手を差しのべます。それを掴み私も身体をゆっくりと起こしました。
「ごめんね、負けちゃって」
本当は一位を取ってシリルに褒めてもらいたかったけど、結果は惜しくも敗戦となってしまいました。そのことに申し訳なさを感じていたけど、シリルは一瞬キョトンとした表情を見せたかと思うとすぐに笑顔になります。
「何言ってるの!?二位だよ!!さすがだよウェンディ!!」
慰めではなく本気で言っているであろう彼の姿に残念がっていた自分が間違っていたことに気付かされます。安堵していたところ、遅れてきたジュビアさんたちがさらなる朗報を持ってきてくれました。
「グラシアンさんも無事だそうですよ」
「ウェンディのおかげでね」
「ホントですか!?」
かなり危険な状態ではあったとのことですが、グラシアンさんも無事とのことで笑顔が溢れます。そんなやり取りをしていたところ、私たちのすぐ近くに魔法陣が現れたかと思うと、そこから現れた人物にギョッとしてしまいました。
『グレイティス選手ゴールです!!6ポイント獲得!!』
そこにいたのは狩猟豹の頭のグレイティスさん。ただ、その姿はボロボロで立っているのもやっとの状態。そして・・・
フラッ
彼はゴールしたのを確認したかと思うと、そのまま地面へと落ちていきます。
「「「「「あっ」」」」」
顔から地面へと落ちていく大柄の男性。当たりどころによっては大変なこと
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