第三十九章
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「それがライダーだからね」
「そうだよな、だから人間でありライダーなんだよ」
楽しげに首を左右に振りながらの言葉だった。
「だからなんだよ」
「人間とライダーは同じなんだ」
「ああそうさ」
今の良太郎の言葉にはっきりと答えてみせてきた。声が笑っている。
「同じなんだよ。人間がライダーになるんだよ」
「仮面ライダーはそうだったんだ」
「まあそういう意味では俺はライダーじゃないんだよ」
やはり笑っていた。自分をライダーではない、即ち人間ではないと言い切ってみせる。これこそがカイがスサノオである何よりの証拠だった。
「それ、わかるだろ」
「わかるよ。つまりライダーであることは人の心を持っていることなんだ」
「相川始がそうだろ?」
かつてジョーカーと呼ばれていたその男だった。
「アギトにしろオルフェノクにしろワームにしろ同じなんだよ。そいつの姿がどうでもな。心が人間ならそいつは人間でライダーなのさ」
「じゃあ僕は・・・・・・人間だ」
良太郎は言い切った。
「人間としてカイ、いやスサノオ」
言い替えた。スサノオと。
「君と戦う。最後まで!」
「さあ来い野上良太郎!」
普段クライマックスフォームが持っている剣ではなかった。kろえばかりは。その代わりに出して来たのは大鎌だった。死神の持つあの鎌だ。それを両手に出してきたのだ。
「楽しみはこうでないとなっ!」
「良太郎!あの鎌はやばいからな!」
モモタロスが良太郎に告げる。
「ぶった切られないようにしとけよ!」
「うん。それにしても」
「何だ!?」
「身体が軽いよ」
良太郎はここでこう言ってきた。
「何か普段のクライマックスフォームよりも」
「それは当然のこと」
「ジーク」
腹に顔があるジークが言ってきた。今ウィングフォームは腹部にあるのだ。五つのイマジンの力が今完全に一つになっているのだ。
「私がいるのだからな」
「そうか、ジークは空が飛べるから」
「その通りでは参ろう」
「うん。それじゃあ」
「飛んだよ、飛んだ!」
何とここで電王は飛んだ。宙を歩くようにして。リュウタロスはそれを言うのだ。
「電王が飛んだよ!」
「いけるなこれは!」
キンタロスもその中にいて喜びの声で叫ぶ。
「やれるで良太郎!」
「うん。やるよ!」
「良太郎。わかってると思うけれど」
ウラタロスはいつもの気取った様子だった。
「格好よく決めていくよ」
「格好よくは無理かも知れないけれど」
それは良太郎のキャラクターではなかった。残念ながら。
「やるよ。絶対にね」
「来たな、電王!」
下では鎌を両手に持ったダイアモンドヘッドが嬉しそうに宙を舞う電王を待ち構えていた。
「そう来ないと面白くとも何ともないんだからな!」
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