第5話
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1周目キルバーンから受けた仕打ちを思い出しながらキルバーンに向かって歩くハドラーちゃん。
死の大地でのダイやバランとの戦いの時は、バランがキルバーンの予測不可能な嫌がらせに引っ掛かったせいで真魔剛竜剣の切れ味が悪化。更に、バーンがハドラーの胸元に埋め込んだ黒の核晶の存在もあってか、最悪な意味でバランを本気を出せない状態にまで追い詰めてしまい、ハドラーにとっても罪悪感を伴う不完全燃焼で不本意な結果になってしまった。
この事が、ハドラーがバーンを裏切る決意を固める切っ掛けとなった。
大魔宮でのダイとの最期の戦いの時も、もうこのままダイのギガストラッシュに敗れたで良いじゃんと思った矢先にキルバーンが◇の9を発動させてダイをハドラーごと焼き殺そうとし、そんなダイを救出しようとしたポップが換わりに死の淵を彷徨う羽目になった。
もしあの時にアバンが乱入してくれなかったら、ポップを巻き添えにしながら死ぬと言うこれまた不本意な結果で終わっていたのかもしれない。そう言う意味では、ある意味人間の神の粋に救われたと言えるのかもしれない。
故に、ハドラーちゃんはバーンやザボエラと同じくらいキルバーンの事が大嫌いであった。
「そう言えば、先程の質問の答えがまだだったな?」
「!?」
「質問の内容は確か……何で俺が貴様に向かって『何度も』を使ったのか?だったか?」
「!?」
キルバーンもピロロも完全に俗に言う『強くてニューゲーム』の妙に完全に振り回されていた。
「質問に質問で返すのは無礼の極みだがあえて訊こう。何故、その様な人違いの様な台詞にいちいち反応する?何か……隠し事でもあるのか?」
「黙れ!」
ハドラーがキルバーンを翻弄すると言う1周目だったら絶対に有り得ない光景に苦笑するハドラーちゃん。
(あの死神が、俺如きの台詞に完全に動揺している……これでますます、あの頃の俺が何故魔王を名乗れたのかが、更に解らなくなったな……)
「例えば……俺が何故覇者の剣を使わなかったのか?」
「!?」
「それは……貴様の体に流れている血液は魔界のマグマと同じ成分で、温度は超高熱そして強い酸を含んでいる……だったか?」
「何故それを!?何時知った!?」
(おいおい。とうとう不要な深読みまで始めちゃったよキルバーンの奴……)
(何なんだこいつ!?どこまでボクの事を知ってるんだ!?)
無論、憎きキルバーンが泥沼から這い上がるのを待つ義理は無い。
ハドラーちゃんは、意を決して両腕から地獄の爪を生やした。
「キルバーン、貴様相手に呪文は禁忌……なのだろ?なら、こいつだけで相手をしてやる」
呪文を使用しないと豪語したハドラーちゃんに驚くキルバーンとピロロ。
「何!?」
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