第二章
[8]前話
「わかるだろ、うちの叔父さんの」
「慶穂さんだね」
「あの人働いてなくてな」
「ずっと奥さんに食べさせてもらってて」
「それでいつもふんぞり返って偉そうに言うだけでな」
「相談に乗らないで旅行に誘っても断って」
「何しても感謝しなくてな」
そうした輩でというのだ。
「離婚されたけどな」
「それでも働かなくて」
「ホームレスになってな」
「行方不明だね」
「働いてないとあの人みたいな雰囲気になるんだよ」
自分達の叔父の様なというのだ。
「けれどお前はそうした雰囲気だからな」
「わかる人はわかるんだね」
「いざという時お金もポンと出すだろ」
多額をというのだ。
「そうしたことからもな」
「わかるんだね」
「ああ、そうだよ」
こう弟に言うのだった、そして。
栄光は兄が帰った後で自宅の近くのスーパーに行った、上下共にジャージ姿にシューズという恰好だったが。
店の者達は彼を見て話した。
「またお金下ろしてたし」
「時々そのお金で大きな買いものしてくれるし」
「絶対に働いてるな」
「ああ、雰囲気もな」
英雄が言ったそれもというのだ。
「そんな風だしな」
「あの人働いてるな」
「ちゃんとな」
「働いているとやっぱり違うな」
「お金の使い方に雰囲気が」
「そうしたものが違うからな」
「あの人はニートじゃないぞ」
こう言うのだった。
「結構稼いでいるだろうしな」
「お金の使い方みたら」
「それも何年もああだしな」
「何の仕事か知らないけれど」
「ニートじゃないのは確かだな」
こう話した、実際彼は毎月二十万以上は普通に稼いでいた、そのうえで他の在宅ワークもはじめ収入をさらに増やしてだった。
結婚もした、そんな彼をニートと思うものはもういなかった。働いていることは間違いないと言った。
絶対にニートじゃない 完
2023・9・15
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