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モデルの怖いもの
第二章

[8]前話
「だからね」
「尚更なのね」
「お仕事がなくなることがね」
「怖いことね」
「そうよ」
 妹にゾンビ映画を観つつ話した。
「ゾンビは全然怖くないけれど」
「そうなのね、じゃあ私も言うわね」
「ええ、何が怖いの?」
「太ることよ」
 ノンカロリーのお茶ペットボトルのそれを飲みつつ答えた。
「わかるでしょ」
「モデルさんだから」
「やっぱり体型は維持しないとね」
「駄目よね」
「だから太らない様にね」
 その為にというのだ。
「いつも運動してお口にするものもね」
「考えてるのね」
「そうよ、もうこれはね」
「モデルさんならよね」
「皆怖いと思うわ」
 こう姉に話した。
「やっぱりね」
「そうよね、ただね」
「ただ?」
「何かこうしてお話したら」
 お互いにとだ、美穂は忍に言った。
「お仕事関係よね」
「お互い怖いのはね」
「そう思うと現実がね」
「それもお仕事のことがね」
「一番怖いわね」
「なるなることがね、太ったら」
 モデルがとだ、忍はその時のことを話した。
「お仕事来なくなるから」
「失業と一緒ね」
「そうね、お仕事があってこそ生きられるし」
「お仕事がなくなることが」
 これこそがというのだ。
「一番怖いわね」
「それこそゾンビよりもね」
「こんなの全然怖くないわね」
「そうね、観ていてもね」
 妹もそれはと姉に応えた。
「こうした映画幾らでも観てきたし」
「怖くないわね」
「ゾンビはね」
 姉妹で自宅のテレビでDVDの映画を観て話した、その間忍はノンカロリーのお茶を飲み続けた。お菓子は蒟蒻ゼリーでありそうしたことに気を付けているのは明らかだった。


モデルの怖いもの   完


                2023・9・15
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