第二章
[8]前話
「若しエレベーターが壊れたりしていたら」
「ああ、避難しにくいですね」
「それなら」
「その時は」
「そうだよね、台風でも洪水でも」
そうした災害が起こってもというのだ。
「避難する時にどうかな」
「辛いですね」
「確かに」
「タワマンにいたら」
「それも上の方だと」
「祖国にいる時よく聞いたよ」
今度は顔を曇らせて話した。
「日本は兎に角災害が多いってね」
「それはそうですね」
「実際かなり多いですね」
「いつも色々な災害が起こります」
「地震とか台風とか」
「そんな国に住んでいるからね」
今はというのだ。
「だから何時でもすぐに非難出来る様に」
「マンションの一階ですか」
「そこに住んでおられますか」
「タワマンの最上階とかじゃなくて」
「そうだよ、そしてね」
そのうえでというのだ。
「若し何かあったら」
「その時はですね」
「すぐに避難しますか」
「マンションの一階から」
「そうするよ、災害のことを考えたら」
日本に数多いそれをというのだ。
「僕は住めないよ」
「タワマンには」
「しかも上の方には」
「そうですか」
「絶対にね」
ビールを一口飲んでまた言った、そして飲み会が終わると彼は今自分が棲んでいるマンションの一階にある自分の部屋に入って休んだ。そうしながら災害が起こらないことを心から願ったが若しもの時もとも思ったのだった。
タワーマンションに住まない理由 完
2023・9・15
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