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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第157話
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見つめた。

「貴方も知っているように私は数十年で寿命が尽きる”人間”と違い、途方もない年月を過ごす事が可能な”女神”で、実際貴方が知る普通の人間よりも遥かに長く生きて来た人物――――――”槍の聖女”や”二代目の魔女の長”とも比較にならないくらいの途方もない年月を過ごしてきました。その年月の間に女神である私に”救い”を求めた人々の願いに応じ、幾度も救ってきました。ですがその結果は世代が変われば過去の過ちを忘れて同じ事を繰り返すという虚しい結果でした。その事に私は思い知ったのです。――――――”神である私自身の存在の恐ろしさ”に。」

「な………」

エイドスの答えを聞いたオズボーンは驚きのあまり思わず絶句し

「そして私は『”神”の判断にゼムリア大陸の人々が左右される事や”神”や”奇蹟”に縋る事で人々が堕落する事を恐れ、”神”や不確かな”奇蹟”に頼らずに自分自身で”選択”して”本当の幸せ”を掴みとってもらう為』に当時の人々に”七の至宝(セプト=テリオン)”を授けたのですよ。」

「……………………だがその結果は其方が望んだ結果どころか、其方自身が恐れていた事態になってしまったが、それについてはどう考えている?」

エイドスの説明を聞いて少しの間目を伏せて黙っていたオズボーンは真剣な表情でエイドスに問いかけた。



「そんなの私の知った事ではありません。七の至宝(セプト=テリオン)を人の手に委ねた時点で、人が空の女神(わたし)に縋る時代は終わり、人自身の手で自分達の未来を創る時代へと変わったのですから、人が七の至宝(セプト=テリオン)を手にした事によってどのような選択をし、どのような結末に至るかは人自身の責任です。」

「ふふ、至宝が起こした悲劇を知って罪悪感を抱くどころか、我々人自身の”自業自得”であると指摘するとはさすがは”空の女神”か。――――――灰獅子隊の面々も改めてようこそ。クルト君、オリエ夫人、ミルディーヌ公女――――――アルフィン皇女殿下。――――――とりわけベルガーには改めて詫びる必要がありそうだな。」

「あ……………」

「フン……今更”ハーメル”の件を詫びられた所で、何の意味もないがな。」

「……………………」

「……その言葉、兄や父にも言って欲しかったです。」

「フフ、私は私自身の思惑で祖国に刃を向けたのですから、お互い様かと。」

エイドスの話を聞いてエイドスに感心したオズボーンはリィン達灰獅子隊の面々を見回してクルト達を名指しし、オズボーンの自分達への”それぞれの詫び”の意味を理解していたアルフィンは呆けた声を出し、レーヴェは鼻を鳴らして不愉快そうな表情を浮かべ、オリエは目を伏せて黙り込み、クルトは真剣な表情でオズボーンを見つめて指摘し、ミュゼは苦笑しながら指摘し
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