第三十五話 道教の神々その六
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「それでや」
「悪役か」
「そうされることがあるんやろ」
「成程な」
「けど閻魔王は只の裁判官でな」
「怖がることはないか」
「顔が怖くてもな」
そうであってもというのだ。
「別にな」
「そういうことやな」
「そや、それでな」
さらに話すのだった。
「十王に至ってはな」
「元々が聖人みたいな人等やったな」
「そやからな」
「怖くないか」
「そや、大岡越前さんみたいなもんや」
リーはこの人物を出して話した。
「要するにな」
「ああ、ああした人か」
「そや、名裁判でな」
「悪人を裁いてやな」
「そして善人を助けるんや」
「十王ひいては閻魔さんもやな」
「そうした存在であってな」
それでというのだ。
「日本の創作で時々ある様なや」
「悪役やないな、まあ僕も怖かった」
芥川は笑ってこも言った。
「子供の頃はな」
「それで悪いと思ってたか」
「悪いとは思ってへんかったけどな」
閻魔がというのだ。
「そやけどな」
「怖かったか」
「そのことはな」
「どうしてもやな」
「あったわ」
子供の頃はというのだ。
「子供の頃は怖い、厳しいだけでな」
「あかんかったな」
「学校では厳しい、怖い先生はな」
「それだけであかんかったな」
「そやったわ」
「それは誰でもやな、優しい先生こそな」
まさにとだ、リーも否定せずに言葉を返した。
「善やった」
「そやったな」
「まあ本当の厳しさとか優しさもな」
「成長してわかってくけどな」
「子供の頃はな」
どうしてもというのだ。
「人生経験はこれからで」
「そうしたこともわからんからな」
「そうした考えになるわ」
「そやな、まあ厳しい怖いのと虐待はちゃう」
芥川はこのこともはっきりと言った。
「それはな」
「そのことな」
「怖いのは怒ってな」
「それが出るからやな」
「厳しいのもや」
このこともというのだ。
「なあなあにするところをせん」
「定めてるな」
「そや、そうしての教育やが」
「虐待はな」
「ただ自分より体格や立場が弱い相手を虐げる暴力や」
そうしたものに過ぎないというのだ。
「それや」
「そや、そうしたもんとな」
「厳しい怖いはちゃうな」
「機嫌が悪いからと言って生徒が普段と変わらへんことをしても殴り回す」
例えば部活で動きが悪いと言ってだ、別に校則に違反した訳でもないのにそうした行為を行っていいという理屈がある筈がない。
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