第三十五話 道教の神々その五
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「次にうち等が戦う十王さん達やけど」
「どないしたんや」
「確か実在の人も多かったね」
「その人等が裁判官になったんがな」
「あの神霊さん達やね」
「包青天さんとかな」
「宋代の名裁判官やった」
「この人とかな」
「他にもやね」
「公平で清潔で誠実な」
そうしたというのだ。
「そうした人がな」
「なってるんやね」
「そや」
まさにというのだ。
「これがな」
「ほな十王さん達はええ神々やね」
「いや、悪い筈がない」
リーはこのことを否定した。
「そもそもな」
「何か閻魔さんってよお悪役になるけど」
「それは顔が怖いからやろ」
リーはすぐに答えた。
「閻魔王の」
「そのせいでかいな」
「それで地獄で裁判をしてな」
「悪には地獄に落とすね」
「そうしたことへの恐怖がな」
「閻魔さんを悪役にしてるんやね」
「けどな」
創作ではそうなっている場合があるがとだ、リーは綾乃に話した。そこには確かな知識が存在していた。
「それは間違いでな」
「十王さん達は元々ええ人達で」
「公平で清潔な」
そうしたというのだ。
「正義の裁判官や」
「それで悪役とかないんやね」
「むしろ日本人閻魔王怖がり過ぎや」
そもそもというのだ。
「ただ裁判するだけやろ」
「善人か悪人か」
「それだけでな」
「悪いことしてへんね」
「何処が怖いか、むしろな」
リーは真剣な顔でさらに話した。
「怖いのは自分自身に疚しいことがあって」
「ああ、それを暴かれるとな」
芥川も言ってきた。
「誰にでもあるさかいな」
「それが死んでからの裁判で暴かれるからな」
「鏡に映し出されてな」
「嘘も吐けんし」
このこともあってというのだ。
「それによって逃げられんから」
「そのことも怖いな」
「自分の悪いことを暴かれてや」
「逃げられんことが怖いか」
「閻魔王の前では、それでや」
リーは芥川に話した。
「閻魔王やなくてな」
「怖いのはそういうもんやな」
「しかし目に見えてな」
そうしてというのだ。
「恐ろしいもんやないしな」
「それでやな」
「それを暴く閻魔王をや」
「怖がってか」
「怖いが悪いになって」
自分を恐れさせる即ち感情的に脅かす。日本で閻魔が悪役になっている場合があるそのことについて言っていくのだった。
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