第三十五話 道教の神々その一
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第三十五話 道教の神々
中国明代の宮殿を思わせる階段だった、木造のその中を進みながら羅は周りを警戒しつつこんなことを言った。
「宮殿は迷宮にしたらな」
「鬱陶しいな」
施もこう言った。
「どうにも」
「ああ、複雑に入り組んでいてな」
「ややこしい造りでな」
「厄介や」
羅は両手に青龍偃月刀を持ちつつ言った。
「何時何処から敵が出て来るかわからん」
「ああ、ほんまな」
「そやからな」
だからだというのだ。
「厄介な場所や」
「ほんまそやな」
施も落日弓を手にして述べた。
「こうした階も」
「ああ、それで今はやな」
「自分が弓使うからな」
「そうして戦うからやな」
「羅はな」
彼に対して言うのだった。
「近距離の戦頼むで」
「わかってる、この青龍偃月刀でや」
手にしているこの武器でというのだ。
「近くにおる敵はな」
「切り倒すな」
「関菩薩みたいにな」
関羽雲長のことだ、中国ではこうも呼ばれるのだ。
「やったるで」
「宜しく頼むで」
「わい等もおる」
トウェインは右手にバルムンク左手にミョッルニルを持って言った。
「そうそう簡単にはや」
「やらせんな」
「敵に好きにはさせんな」
「これまで通りな、そしてな」
そのうえでと羅と施に答えた。
「さらに先に進むで」
「宮殿を模した迷宮やと」
メルヴィルも周囲を警戒しつつ言う。
「刺客とか人が出て来るしな」
「モンスターよりもな」
「そっちやな」
「ああ、実際にな」
メルヴィルも羅と施に話した。
「これまでも出て来てるしな」
「中国の鎧兜着た兵が出て来たな」
トウェインは彼等の話をした。
「あれは明代辺りの鎧か」
「そやな」
羅が答えた。
「何時の時代のもんかっていうと」
「明代やな」
「中国の鎧兜も時代によって変わってな」
そうなっていてというのだ。
「あの布が多くてコートみたいなのはな」
「明代のやな」
「それで銃も持ってたやろ」
羅はこちらの話をした。
「もうあれはな」
「明代の鎧兜やな」
「そや」
まさにというのだ。
「それや」
「そうやな」
「銃火器もあるな、中国には」
メルヴィルは両手にそれぞれその銃を手にしている、そのうえでの言葉だ。
「明代は特に」
「明代はそっちの兵器が発達したんや」
施がこのことを話した。
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