第三十二章
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「天道、それは」
「どうやら。過去で必要なくなり戻ってきたらしい」
こう加賀美に対して答える。
「この俺の手にな」
「そうなのか」
「そうだ。ならば」
ハイパーキャストを左腰に入れそうして。
「ハイパーキャストオフ」
ハイパーカブトになる。そのうえで良太郎達に対して声をかける。
「野上」
「はい」
「もうすぐ来るぞ」
「カイがですか」
「そうだ。だから用心しておけ」
ハイパーカブトになったうえでの言葉だった。
「あの男もまたライダーだ」
「そうですか」
「天道、来たぞ!」
だが深く話している時間はなかった。怪人達が来たからだ。
「親父達はどうした?」
「あそこだ」
見れば後ろにいる。彼等も彼等で天道達を見つつ戦闘員達を倒している。それなりの強さは持っているようだ。
「そうか。後ろに下がってもらえ」
「安全な場所にだな」
「そうだ」
「それじゃあハナさん」
「ええ」
モモタロスの良太郎の横で戦闘員達をその格闘術で倒していたハナが応える。
「日下部さん達を御願いします」
「わかったわ。それじゃあ」
「ええ。じゃあ皆いい?」
ハナとコハナが自分の言葉を受けて後ろに下がっていくのを見送りながらモモタロス達、そして桜井とデネブに対して声をかけた。
「行こう、カイとの最後の闘いに」
「わかった!」
桜井がそれに応える。
「行くぞ野上!」
「うん」
「良太郎、気合入れていくぜ!」
最初にモモタロスが言った。
「これが正真正銘のクライマックスだ!」
「釣った魚が来るんだね」
「泣けるでこの戦い!」
「全開で行くよ。答えは聞いてない!」
「満を持して今」
五人の心が今一つになる。五人の良太郎と桜井が横に一つに並ぶ。既にデネブは桜井に憑依しその髪を長い緑色のメッシュにさせていた。
「侑斗、いよいよだな」
「ああ。けどなデネブ」
「何だ?」
自分に声をかけてきた桜井に対して応える。
「これで終わりじゃないからな」
こう言うのだった。
「俺達の戦いはな」
「そうだな。一つの戦いの終わりは」
「別の戦いのはじまりだ」
だからこそゼロノスに無限に変身できるようになった。何のリスクもなく。永遠の戦いの輪廻以外には。だが彼はそれを受け入れていたのだ。
「俺達のな」
「俺達のか」
「デネブ、御前と」
次に良太郎に顔を向けて言う。
「野上、御前とだ!」
「うん。じゃあ」
「来たぜ良太郎!」
誓い合ったその時だった。
「カイだ。来やがったぞ!」
「牙王も一緒だ!」
デネブが告げる。
「二人の他にも」
「はぐれイマジンに、それに」
「牙王、それに」
良太郎も彼等を見据えていた。そこにいたのは。
「カイ!」
「やっぱり出て来
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