暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第三百十三話 シカゴの医師その十三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「私はあそこまではとても」
「出来ませんか」
「あの方々は敵には一切容赦されませんし」
「四十万の賊を生き埋めにしたとか」
「巨人達にもそうしたとか」
「敵には仮借ないですね」
「実に。ですがここだけのお話ですが」
 ここでルイスはこっそりという感じで官吏達に話した、声も小さくなっている。
「あの方々公の場を出ると全くちゃいます」
「違うと言いますと」
「あの厳格で冷酷な統治はないのですか」
「そうした政策ですが」
「そのご決断も」
「お三方共温和で優しいのです」
 エカテリーナもタゴールもターリヤもというのだ。
「上品で穏やかで」
「そうなのですか」
「ではあのお姿は仮のものですか」
「あくまで統治者としてのことであり」
「素顔は違うのですか」
「そうです、礼儀正しい方々ですし」
 彼等のこのことも話した。
「ええ人達です」
「そうなのですか」
「こちらの世界では氷の女帝や恐るべき雷帝と呼ばれ」
「冷酷な軍師とも呼ばれていますが」
「その素顔はですか」
「全くちゃいまして」
 その実はというのだ。
「ええ人達です」
「星の方々が起きられた世界ではそうですか」
「こちらの世界ではそうしたお姿でも」
「政の場を離れますと」
「そうなりますか」
「何でも公の場ではスイッチが入って」
 そうしてというのだ。
「ああなられるそうです」
「そうですか」
「またそれは驚きました」
「普段からああだと思っていましたが」
「その実は違う」
「そうした方々ですか」
「他の枢軸の方々もです」
 そちらの星の者達もというのだ。
「そうです、政や戦の場では恐ろしいですが」
「そこから離れるとですか」
「そうなるとですか」
「至って普通の方々で」
「穏やかなのですか」
「左様です」
 こう言うのだった。
「こちらの世界の方々には信じられないでしょうが」
「とても」
「普段からああだとです」
「思っていましたが」
「素顔は違うのですね」
「学校でも授業中は真剣で極めて真面目で冷徹ですが」
 エカテリーナ達はというのだ。
「しかしです」
「授業が終わるとですか」
「至って温和で優しい」
「そうした方々ですね」
「そのことはご了承下さい」 
 会議に参加している官吏達に微笑んで話した。
「誤解されないで下さい」
「わかりました」
「そのことは覚えさせて頂きます」
「内密のお話でも」
「その様に。ではこれからも穏やかに政を進めていきましょう」
 戦をせずにだ、こう言ってだった。
 ルイスは政を進めていった、イリノイ州はそのかなりの部分が彼のものになっていったが統一はまだ先だった。だがそれでも彼は戦は出来る限りしないのだった。


第三百十三話   
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ