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夢幻水滸伝
第三百十三話 シカゴの医師その八

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「出来れば単葉機や砲塔のある戦車それに航空母艦が欲しいですが」
「流石にそうした兵器は」
「今の我々では無理です」
「まだその技術レベルに達していません」
「残念ですが」
「そうですか、こうした航空機や戦車はです」
 将帥達の返答を聞きつつ難しい顔で言うのだった。
「単葉機や砲塔のある戦車と比べますと」
「性能が落ちますね」
「それもかなり」
「そうですね」
「はい、全くと言っていい程です」
 そこまでというのだ。
「違います、ただ飛行船もありますが」
「そちらの建造にもかかっていますね」
「それも多く」
「そうされていますね」
「飛行船もっと言えば気球でも浮島に行けるので」
 だからだというのだ。
「こちらは私としては」
「満足されていますか」
「飛行船については」
「左様ですか」
「防御力は弱いですが」
 対空兵器を搭載しにくい、そしてガスを詰めているその大きな部分を攻撃されればそれで終わりである。ルイスもこのことを言うのだった。
「しかし比較的安価で多く建造出来てです」
「そのうえで浮島に行ける」
「だからですね」
「多く建造し」
「浮島に勢力を拡大していきますか」
「この世界ではかなり昔から気球があった様ですが」
 これも用いて浮島を行き来していたことは言うまでもない。
「飛行船をです」
「多く建造し」
「そしてですね」
「イリノイ州の浮島にも進出する」
「そうされますか」
「そうします、ただ浮島にある街や村が私の勢力に入りたいと言えば」
 その時はというのだ。
「そのまま迎えます、またです」
「また?」
「またといいますと」
「これからは浮島でも大陸でもです」
 その両方でというのだ。
「イリノイ州の街や村に使者を送りそうしてです」
「我々の勢力に入る様に言いますか」
「そうしていきますか」
「これからは」
「戦は好きやないです」
 ルイスはここで嫌悪を込めて言った。
「私は」
「そうなのですか」
「戦はお嫌いですか」
「はい、戦よりも内政それに医学で」
 医者としての顔も見せるのだった。
「そやからです」
「それで、ですか」
「勢力を拡大させてもですか」
「戦はお嫌いで」
「それはされないですか」
「出来るだけ、まずはイリノイ州の街や村の全てにです」 
 統一すると決意したこの州のというのだ。
「使者を送り降る街や村はです」
「そのまま迎え入れる」
「我々の勢力に」
「そうしますか」
「自ら加わってくれればええですし」
 そうした街や村はというのだ。
「これまで通り」
「迎え入れる」
「そうしていきますか」
「そうした街や村は」
「はい、そして」
 ルイスはさらに話した。
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