第三十四話 外宴その十
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「そうした意味でも」
「そうですか」
「ですから」
それでというのだ。
「僕は普段はです」
「サングラスをかけておられますか」
「そうです」
まさにというのだ。
「そうしています」
「そうですか」
「ですが」
「気を許した人達の間ですと」
「その時はです」
まさにというのだ。
「この様にして」
「素顔を見せられるのでね」
「そうしています」
「そうですか」
「そして」
星史郎はさらに話した。
「これからもです」
「サングラスを外してですか」
「皆さんとこうしていきたいです」
「そうですか」
「いいと思いますよ」
遊人は日本酒を飲みつつ笑って応えた。
「星史郎さんがそうされたいなら」
「それならですか」
「僕達に断る理由はありません」
一切というのだ。
「何が悪いのか」
「片目で、ですか」
「僕も??君や颯姫さんと同じ意見です」
「そうですか」
「俺もだ」
草薙はカルーアミルクを飲みつつ言ってきた。
「何がだ」
「問題か、ですか」
「わからない、身体の何処かが悪くてもな」
それでもというのだ。
「別にな」
「何ともないですか」
「そうだろ」
こう言うのだった。
「本当にな」
「そう言ってくれますか」
「自衛隊だと身体を怪我することだってな」
「ありますか」
「身体使う仕事だろ」
星理想に微笑んで話した。
「だからどうしてもな」
「怪我も多いのですね」
「訓練の時も災害救助の時もな」
「それで、ですか」
「あんたの目のことだってな」
「何ともないですか」
「その目はあれだろ」
光のないその目を見て言うのだった。
「人を守ってそうなったんだろ」
「ご存知でしたか」
「ああ、地の龍の集まりに出てな」
そうしてというのだ。
「噂で聞いたよ」
「私もそんな話を聞いていたわ」
庚も言ってきた。
「そのお話はね」
「噂ですか」
「噂は本人が言わなくて関係者が言わなくても」
例えそうしてもというのだ。
「自然と出てね」
「広まるものですか」
「そうしたものでね」
「聞かれましたか」
「私もね」
「悪い、聞くつもりはなかったんだ」
草薙はこのことは申し訳ない顔で言った。
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