第三十四話 外宴その七
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「そうしたいけどな」
「あの、ですが」
護刃はその話を聞いて心配そうに言って来た。
「空汰さん確か」
「ああ、高野山の星見のじっちゃんの見たところな」
「嵐さんを護って」
「死ぬらしいな」
「そうですよね」
「大事な想い人の為にな」
「そうですから」
次第に本気で心配する顔になって話した。
「恋人同士になることは」
「ずっと山の中でおったさかいな」
空汰はその護刃にも明るく笑って応えた。
「恋愛とか無縁やってん」
「修行ばかりでしたか」
「時々さぼって暇あったらつまみ食いして」
このことも笑って話した。
「お茶目というかやんちゃっていうか」
「そうして過ごされていましたか」
「それでな」
そのうえでというのだ。
「好きな人が出来てその為に死ねるんやったら」
「いいですか」
「本望や」
明るい笑顔での言葉だった。
「ほんまな」
「そうですか」
「わいとしてはな」
「いや、そうはならない」
ここで神威が真剣な顔で言ってきた。
「空汰、お前は死なない」
「自分が死なさへんか」
「そうだ」
真剣な顔のままでの返答だった。
「何があってもな」
「そう言ってくれるか」
「そして言ったならな」
言葉に出したからにはというのだ。
「絶対にだ」
「そうするんやな」
「それは運命だな」
空汰が今言ったことはというのだ。
「嵐の為に死ぬことは」
「そや」
まさにとだ、空汰も答えた。
「はっきり言うとな」
「運命は変わる」
神威は真剣な顔のまま強い声で告げた。
「俺はそれがわかった」
「小鳥ちゃんのことでか」
「おじさんのことでもな」
鏡護、彼のことも言うのだった。
「わかった、だからお前の運命もだ」
「変わるんやな」
「必ずな」
「そやからそう言うか」
「お前は死なない」
また言った。
「何があってもな」
「そやねんな」
「戦いが終わっても生きてだ」
「幸せに生きるんやな」
「そうなる」
間違いなくというのだ。
「若し死にそうになればだ」
「自分が何とかしてくれるか」
「意地でもな、だから安心しろ」
「そうか、ほな頼らせてもらうで」
「頼りにしてくれ」
神威は微笑んで答えた。
「その時はな」
「私もです」
護刃も来て言ってきた。
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