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第三十四話 外宴その六

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「わい等も何かと助かってるしな」
「そうなんだね」
「頑張ってくれてるし。自分やとな」
 暖かい声で言うのだった。
「接待になれるで」
「征一狼さんみたいな人にだね」
「ああ、人間としてな」
「では目指すよ」
「そうしたらええわ」
「ではね」
「それとや」
 空汰は玳透に笑ってさらに言った。
「自分今焼酎飲んでるけどな」
「こちらも美味しいよ」
「ほなわいも次はそっちにするか」
 飲む酒はというのだ。
「焼酎にな」
「そうするんだね」
「そうするわ、いや般若湯も最高や」
「お酒もだね」
「ああ、よおさん食うてや」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「そちらも飲んで」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「高野山でも楽しんでたんや」
「そうだったね」
「あと今はな」
 空汰はさらに話した。
「坊さんでも結婚出来るねん」
「そうだね」
 知っているという返事だった。
「今は」
「維新の頃に色々あってな」
 明治維新のというのだ。
「それで変わってん」
「お肉も食べてよくなったね」
「おおっぴらにな」
「それまでは禁じられていたね」
「そやからおおっぴらには食べてへんかったし」
「結婚もだね」
「出来んかってん」
 表向きにはというのだ。
「坊さんは」
「そうだったね」
「浄土真宗以外がな」
「それが維新で変わって」
「今ではわいもな」
「阿国を食べられるね」
「そや、それで奥さんもな」
 嵐を見て笑って言った。
「貰えるわ」
「知らないわ」
 だが嵐はこう言った。
「私は」
「えっ、そう言うんかいな」
「同じ天の龍で仲間ではあるけれど」 
 自分の皿の上の焼いた南瓜を食べつつ言った、野菜は南瓜以外には玉葱や茄子がありキャベツの酢漬けやパイナップルもバーベキューの網の横に置かれている。
「それでもよ」
「交際してへんのかいな」
「そうよ」
 こう言うのだった。
「私は」
「つれないなあ」
 空汰は嵐のその言葉に困った顔で応えた。
「そこでそう言うなんて」
「そうかしら」
「そや、もっとな」
 その困った顔のまま言うのだった。
「絆を深めてな」
「そうしてなの」
「お互いに支え合って護り合う」
「そうなりたいわ」
「わいとしてはな」 
 嵐に対して話した。
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