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第三十四話 外宴その三

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「ようこそ」
「はい、こちらこそ」
「お姉ちゃんこんにちは」
「こんにちは」
「そこのワンちゃんも」
 娘は犬鬼も見て言った。
「こんにちは」
「ワオン」
「あっ、この娘犬鬼が見えるんですね」
「見えるって?」
「あっ、何でもないの」
「シベリアンハスキーかしら」
 征一狼の妻も犬鬼がいるところを見て言った、周りには一行以外の人間もいるが誰も犬鬼のいる場所には目をやらない。
「この子は」
「ええと、種類は」
 言われるとだ、護刃も困った。
「そうなるでしょうか」
「というか奥さんも見えるんだ」
 昴流はウイスキーを手に言った、護刃はチューハ0である。
「そうなんだ」
「そうみたいですね」
 玳透は焼酎を飲みつつ応えた。
「どうやら」
「僕も今知りました」
 征一狼もだった。
「奥さんもですね」
「そうした人なんですね」
「これも縁でしょうか」
「そうですね」
「娘さんは血筋でわかりますけど」
 空汰は遺伝から述べた。
「奥さんもとは」
「本当に縁ね」 
 嵐もこう言った。
「このことは」
「そういえば」
 小鳥は昴流と一緒にビールを飲みつつ言った。
「護刃ちゃんのワンちゃんは」
「ああ、多くの人間には見えない」
 神威は小鳥の皿に焼肉を入れつつ応えた。
「そうだ」
「そうよね」
「見えるにはな」
「力が必要ね」
「霊的な、な」
「そうよね」
「小鳥は見えていたな」
「最初からね」 
 小鳥はその通りだと答えた。
「そうよ」
「そうだな、小鳥もだ」
「そうした力あるってことね」
「そうなる」 
 まさにというのだ。
「犬鬼が見えるということはな」
「そうよね」
「まあそうしたお話は置いておいてね」
 火煉は微笑んで話した。
「今はね」
「はい、飲んで食べて」
「楽しみましょう、牛肉にね」
 その牛肉を食べつつ言った。
「ソーセージやお野菜もあるから」
「そうしたものもいただいて」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「楽しみましょう」
「わかりました」
「お酒も飲んでね」
 赤ワインを飲んで話した。
「楽しみましょう」
「それじゃあ」
「いやあ、日本酒もええな」
 空汰は今度はそちらを飲みつつ言った。
「ほんまに」
「そうでしょ」
「ああ、こっちもな」
 今も日本酒を飲んでいる嵐に応えた。
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