第二十八章
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「だがそれよりもだ」
「そうですね、今は」
見れば戦闘員達は天道の父と加賀美の父を取り囲んでいる。危害を加えようとしているのは明らかであった。
「御二人を助けましょう」
「そうね。早く」
良太郎の言葉にコハナが頷く。それが合図だった。
「変身しなくても大丈夫だな」
「おいおい、俺を誰だと思ってるんだ」
実に都合よくモモタロスが憑依した。
「あんな雑魚共。変身するまでもねえ」
「こんな時にしか役に立たないんだから活躍しなさい」
「何ィ!?このハナクソ女」
ハナに言い返そうとするがそれはもう一人のハナに阻まれた。
「言ってる暇があったら行く。もう来てるわよ」
「おっ、そうか」
「十人か。いや増えたな」
見れば何処からともなく現われてきた。動きが実に不気味だ。まるで闇の中から出て来るような感じで一旦二人から離れて良太郎達に向かって来たのだった。
「十五人か。俺と野上はいいとしてだ」
天道は自分達はまずはよしとした。だが。
「二人共大丈夫か」
「ハナさん達なら心配いらないですよ」
良太郎が答える。
「もう全然」
「全然か」
「はい、それこそ」
「こいつ等馬鹿みてえに強えからよ」
モモタロスも言う。良太郎の口で。瞬間的に憑依しての言葉だった。
「放っておいてもいいんだよ」
「そうか。ならこのまま突っ込むぞ」
「はい」
良太郎が天道の言葉に頷く。
「それじゃあ」
「イイッ、イイッ」
戦闘員達が奇声を発しつつハナとコハナに向かう。ところが。
「遅いのよっ」
「そんな動きで!」
二人は素手で戦闘員達を殴り蹴り投げ飛ばす。本当に強い。殆ど二人で敵を倒して行く。それを見て天道も思わず言うのだった。
「本当だな、これはかなりのものだ」
「おい、俺の分も置いとけ!」
「あんたも手伝いなさい!」
逆にコハナから言われた。
「こっちだってそんな余裕ないのよ!」
「ちっ、じゃあやってやる!」
モモタロスはそれに応えて前に出る。そうして。
「おらっ!俺の分!」
いきなり目の前にいた戦闘員の腹に蹴りを入れた。
「最近欲求不満だったからよ!派手にやらせてもらうぜ!」
「天道さん、その間に」
ハナが天道に声をかける。
「んっ!?」
「お父さん達を」
「保護して下さい」
コハナも話に入って来た。
「そうだったな、確かに」
「ここは私達だけで充分です」
「ですから」
「だから俺の分も置いとけ!」
その側でモモタロスが戦闘員を投げ飛ばす。投げ飛ばされた戦闘員が背中からアスファルトに叩き付けられ動かなくなったのだった。
三人で次々と戦闘員達を倒していき何時の間にか。残っているのは良太郎やハナ達だけになっていた。
「へっ、もう終わりかよ」
「案外速かっ
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