第3部
ジパング
異国の地ジパング
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ってくるのは当たり前でしょ?」
彼女の発言に、ムッとしながらナギが答える。
「何だよシーラ。お前賢者になってから、調子に乗ってないか?」
「奇遇だな、バカザル。俺も今同じことを思っていたところだ」
「やだなあ、ユウリちゃんまでそんなこと言うなんて♪ ひょっとしてユウリちゃん、具合悪すぎてナギちんと同レベルになっちゃった?」
『なんだと!?』
二人揃って怒り出す二人に対し、なぜかシーラはこの状況を楽しんでいるように見える。
「そんなことより二人とも、オーブがこの村にあるのは間違いないんだからさ、早速情報を集めに行こうよ☆」
「くっ……、おまえに言われなくてもわかってる!!」
「シーラ、後で覚えとけよ!」
二人をからかい倒して満足したのか、シーラはスッキリした顔で私のところにやって来た。
「いやあ、たまにはストレス発散するのも大事だよね☆」
「今のストレス発散してたの!?」
さすがシーラ、発想が私みたいな凡人とはかけ離れている。私が尊敬の眼差しを向けると、シーラはますます満足そうに微笑んだのだった。
「わあ、ガイジンだ〜!!」
「これはこれは、ようこそジパングへ!」
「随分と変わった服を着ているなあ」
「あんなキレーな髪の人、見たことない!」
ジパングに入った途端、その場にいた村人たちが一斉に私たちに注目する。
好奇の目に晒される中、特に彼らが興味を持ったのは、ナギとシーラだった。
どうもここの人たちは、見た目が自分達と異なる人たちをあまり見たことがないらしく、他の国ではそれほど珍しくもない金髪のシーラを、物珍しそうにじっと眺めていたり騒いだりしている。
さらに珍しい銀髪で金色の目をしたナギに関しては、なぜか遠巻きにされている。まるで珍獣扱いされているようだとぼやくナギは不服そうだが、この村の人たちにとっては初めて目のあたりにする存在に、むしろ恐れを抱いているように感じた。
「おい、お前ら。俺は勇者だ。オーブというものがここにあるらしいが、どこにあるか知っているやつはいるか?」
遠巻きに見ている村人たちに聞こえるように、大きな声でユウリはオーブの居場所を尋ねた。どことなく機嫌が悪いのは、体調が悪いからか、それとも自分よりナギやシーラに人々の注目が集まっているからなのか、それは本人にしかわからない。
普段は自身の持つカリスマ性を存分に発揮して周囲の人の注目を集めるはずなのだが、この村ではあまり発揮できないらしい。というのも、この村の人は皆、ユウリと同じ黒髪だからだ。ただ、ユウリほど顔立ちの整った人はこの村にはいないので、全く目立たないと言うことはないのだが。
それを言ったら同じ黒髪の私のほうが3人に比べたら一番目立たない存在だ。現に村人の誰一人として私に視線を送る人はおらず、今しが
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