第二十六章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「では皆さん、宜しいですね」
「はいっ」
ナオミが答える。
「私も外に出ますよ」
「ナオミさん出られたことは・・・・・・ありましたね」
良太郎もそのことを思い出した。
「そういえば」
「そうですよ。ほらミルクディッパーに」
手伝いをしたことがある。二人が言っているのはそのことだった。
「そうでしたね。じゃあ」
「デネブちゃん達と行きま〜〜〜〜す」
「どうやら同じなのは外見だけか」
天道は今のナオミの言葉を聞いて呟いた。
「やはり別人か」
「そういえばナオミさんってどうしてここに」
「さて、それでは皆さん」
考えを遮るようにしてオーナーが言ってきた。
「三十六年前ですよ」
「良太郎、いいわね」
「あっ、はい」
ほぼ強制的に考えを中断させられて応える。
「わかりました。それじゃあ」
「行くわよ、良太郎」
ハナが彼に声をかける。
「いいわね」
「はい。天道さんもですね」
「他の野上良太郎は集めないのか」
「それも集めながらですけれど」
良太郎はそれにも答える。
「それはまあデンライナーで。僕達が出ている間に」
「そうか」
「時間的にはロスはないですし」
時空を移動しているからだった。こういった時には実に便利だった。
「最初に僕達が出て」
「それから後にだな」
「はい、そういうことで」
「わかった」
天道が頷き出発となった。モモタロスが憑依した良太郎と天道、それにハナとコハナという顔触れだった。その四人で三十六年前の街を歩くのだった。
「何だ、随分変わって見えるな」
モモタロスは良太郎の目を通じて周囲を見て話していた。
「これが東京かよ。別の街みてえじゃねえか」
「当たり前でしょ。三十六年前よ」
ハナがその彼に言う。彼女の格好もかなりレトロになっている。コハナと共にバギーのジーンズだ。
「違って当然じゃない」
「そういえばハナクソ女、おめえも」
モモタロスはハナのその格好に気付いた。
「随分変わった服だな」
「それっていつもの服と比べてのこと?」
「あったりめえだろうが」
答えはやはりこうだった。
「他に何て言うんだよ」
「それもそうね。それにしても」
「どうした?」
「カイと牙王よ」
やはりそれだった。
「一体何処にいるやら。どう動くのやら」
「そんなに見つけたいんなら目立つ行動をするんだよ」
「どうしてそうなるのよ」
むっとした顔でモモタロスを見据えて問う。
「あんた、また喧嘩がしたいとかそういうんじゃないの?」
「カミナリ族っていうのをちょっと小突き回してだな・・・・・・って何言わせやがる!」
「自分で言ったじゃない」
「そうよ」
またコハナとハナに突っ込まれる。
「結局そのつもりだったのね」
「
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ