暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第169話:手綱を握るは……
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うにして危機を脱するが、レギオンは尚も彼を弄ぶように上から何度も薙刀を突き刺し追い立てる。

 それを見て奏はアームドギアをレギオンファントムに向け投擲した。

「こっち見ろッ!」
「んん?」

 咄嗟の事とは言え渾身の力を込めて投擲した槍を、しかしレギオンファントムは無手の片手で軽々と弾いてしまった。一見すると無意味に終わったかに見える奏の一撃。
 しかしこの一瞬の間が颯人にとってはこの上なく最高のサポートとなった。

「サンキュー奏!」
〈キャモナ! スラッシュ、シェイクハンズ!〉
「はっ!?」
〈フレイム! ヒーヒーヒー!〉

 レギオンファントムが奏に気を取られている数瞬の間に、颯人はウィザーソードガンのハンドオーサーに左手を翳してスラッシュストライクを発動。至近距離から炎の斬撃をレギオンファントムにぶつけた。

「ぐぉっ!?」
「まだまだぁっ!」
「くっ!?」

 颯人の一撃で押し出されたレギオンファントムに、今度は奏が躍りかかった。コネクトの魔法で回収したアームドギアを手に、コートの裾を翻しながら飛び掛かる。

 奏が乱舞の様に槍を振り回し、レギオンファントムはそれを手にした薙刀で何とか防ぐ。が、奏の攻撃の激しさにレギオンファントムは防戦一方と言った様子だ。

 レギオンファントムが奏に掛かりきりになった。それを見て颯人は、アルドにより新たに作られた指輪を右手に嵌めて使用した。

「どれ? アルドからはこういうところで使えって言われたけど……?」
〈ドラゴライズ、プリーズ〉

 颯人が新たな指輪、ドラゴライズの魔法を使うと、次の瞬間颯人の体の中からドラゴンが飛び出しウィザードの姿が通常形態に戻った。

「うぉっ!? は? え!? こういう事?」

 詳しい効果までは効いていなかった。アルドからは精々、アンダーワールドでファントムの力を借りる事が出来るようになると言う話しか聞いていなかったのだ。だから具体的にどう言う効果なのかまでは分からなかったが、実際に浸かって見て漸く理解した。この魔法は、己の中のファントムをアンダーワールド限定で使役できるようになる魔法だったのだ。

 だが事前に聞かされていた情報に反して、颯人から飛び出したドラゴンは彼の意志に反して好き放題に暴れていると言った様子だった。主な攻撃こそレギオンファントムに狙いを定めているようだが、周囲への被害の削減とかそう言う事は一切考えず只管にレギオンファントムだけを攻撃し続けていた。恐らく前回の戦いでの鬱憤もあるのだろう。あの時に傷付けられた時の事を未だに根に持っているのだ。

「ギャオォォォォォッ!」
「ぬぉっ!?」
「おわっ!?」

 突然のドラゴンの参戦に、レギオンファントムのみならず奏までもが面食ら
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