暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第169話:手綱を握るは……
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鳴らした。

「ふん、無駄だったな」
「どうかな?」
「何だと?」

 折角魔力を消費して使った魔法が不発に終わったと言うのに、肝心の奏はまるで気にした様子を見せない。それどころか寧ろこれが正解かの様な余裕の笑みを浮かべているので、レギオンファントムも奏が何を仕込んだのかと思わず警戒した。
 それが功を奏したのだろう。レギオンファントムは次の瞬間、固定された鎖の間を縫うように姿を現した颯人の一撃を喰らってしまった。

「そこだッ!」
「ぐっ!? 何ッ!?」

 レギオンファントムが見ると颯人は奏が伸ばした鎖の間をすり抜けるような動きで移動している。レギオンファントムもその後に続いて彼を攻撃しようとするが、図体がデカい方な為鎖に邪魔されて思うように動けない。空中で鎖を固定してしまった事がこんな形で仇となるなど誰が想像できるだろうか。
 そしてここで漸くレギオンファントムは理解した。奏が無暗矢鱈に魔法の鎖を使ったのは、鎖を使ってレギオンファントムを直接拘束する為ではなく、空中に固定した鎖でレギオンファントムの動きを阻害する為だったのだ。

 奏の策はまんまと的中し、鎖の檻の中に閉じ込められたレギオンファントムは素早く動き回る颯人に翻弄され、また薙刀が鎖に引っ掛かり思う様に反撃も防御も出来ていない。
 対して颯人は、透程ではないが滑らかな身のこなしで鎖の檻の中を縦横無尽に動き回っていた。時には固定された鎖を足場にして、義経の八艘飛びが如く鎖を足場に一気にレギオンファントムに接近しすれ違いざまに切り裂くなどして着実にダメージを与えていく。以前の戦いで真正面からぶつかってパワー負けしたので、その時の事を教訓に徹底して一撃離脱戦法に終始した。お陰で颯人は被害らしい被害を受ける事無く、一見するとレギオンファントムを圧倒出来ていた。

 しかしやはりレギオンファントムは只者ではなかった。鎖に攻防を邪魔され颯人にチクチクと攻撃されている事に苛立ちを覚えたのか、レギオンファントムは力を溜めるとそれを一気に解放。拘束の為ではなく破壊の為にハルメギドを振り回し、周囲の鎖を一薙ぎで粉砕してしまった。

「いぃっ!?」
「マジかッ!?」

 これには2人共面食らったが、特に顔を青くしたのは颯人の方だった。仮面で彼の顔色は伺えないが、それでも彼が仰天している事は雰囲気で分かる。
 何しろ彼はたった今足場にしていた鎖を切断されたのだ。その所為でバランスを崩し、地面に落下して背中を強かに打ち付けてしまう。

「ぐぉっ!? いっつぅ〜……ッ!?」
「ヌンッ!」
「クソッ……!?」

 打ち付けられた背中の痛みに悶える颯人だったが、太い上げるとそこではレギオンファントムが今にもハルメギドを振り下ろそうとしていた。それを見て慌てて転がるよ
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