暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第169話:手綱を握るは……
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下手な攻撃はこの世界の主である人間に悪影響を及ぼす事を。必要以上に暴れる事は、レギオンファントムに利する事になってしまう。
 故に奏も今回ばかりは持ち前の勢いを抑え気味にして戦わなければならず、あまり慣れない手加減をしなければならないと言う事でどうしてもやり辛さを感じずにはいられなかった。

 思わず攻めあぐね掛けた奏の隣に、颯人が援護射撃をしながら近付いていった。無用な破壊を齎してしまった奏に対し、狙ったところへ銃弾が飛んでいく颯人の銃撃は無駄なくレギオンファントムに命中し後退させた。

「大丈夫か、奏?」
「あぁ。しかし面倒だなここは。あんまり派手に暴れる訳にもいかないし……」
「この俺にやった時みたいに、アイツ押し出したら?」
「やりたいのは山々なんだけど、あの時かなり我武者羅だったからぶっちゃけ何をどうやったのか覚えてないんだよ」

 所謂火事場の馬鹿力、若しくは愛の力とでも言えばいいのか。いずれにしてもあれは颯人の危機だから出来た事であり、サンジェルマンが相手だとあまり望むべくもないものらしい。
 となると、正攻法で行くしかないと言う事になる。具体的には、ここで奴を倒すかそれとも追い詰めて向こうから勝手に出て行ってもらうかだ。

 他の案としては一応、ウィズ達が応援に駆けつけてくれるのを待つと言うのもある。だが結局は待っている間に2人だけでレギオンファントムの相手をしなければならないし、下手に時間稼ぎをしようものなら戦いの余波でサンジェルマンが持たなくなる可能性もある。結局は、この場で倒すか何とかして追い出すかの二択となってしまう。

「颯人、どうする?」

 一応訊ねはするが、奏の中でもレギオンファントムに対する方針は決まっていた。

「倒す気でやるしかねえだろ。時間稼ぎが出来る場所じゃねえし、倒す気でやらなきゃ追い出す事も出来やしねえ」
「だな」

 そうと決まれば話は早い。奏はアームドギアを振り回しながら、レギオンファントムに向けて魔法を使った。

〈バインド、プリーズ〉

 兎に角動き回られるとそれだけで被害が増える。まずは奴の動きを止めようと奏が魔法の鎖を幾つもレギオンファントムに向けて伸ばした。次々と虚空から伸びてくる鎖に対し、レギオンファントムはハルメギドを振り回して応戦する。

「ぬっ! くっ、はっ!」

 鎖それぞれが意志を持っているかのようにレギオンファントムに向けて伸びて行き、手足に巻き付き拘束しようとするがレギオンファントムはそれを全て弾いてしまう。それどころか、薙刀が鎖を切りつけた際に出来た亀裂で鎖の動きが逆に止められてしまった。これでは奴を拘束できない。

 結局奏が伸ばした鎖は全て動きを止められ、レギオンファントムは奏の行動を阻止できたことに満足そうに鼻を
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