暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第169話:手綱を握るは……
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同時に察する。これがサンジェルマンの今を形作る原点と言える景色、この頃の経験が元となっているのだろうと言う事が容易に想像できた。確かにこんな貧富の差を経験したら、今の世界を恨み全てをひっくり返したいと思うのも無理は無いのかもしれない。

 だからと言って颯人がサンジェルマンに靡く事は天地がひっくり返ってもあり得ないが。

「って、そうだよ暢気に見てる場合じゃねえ。ファントムの奴探さないと……」

 慌てて周囲を見渡しレギオンファントムを探す颯人と奏だったが、結果から言えば探すまでも無かった。

 何しろ奴は今、サンジェルマンの精神世界を破壊する事に夢中で大暴れしているからだ。無理に探そうとしなくても、暴れて周囲を破壊する音と興奮のあまり上がる高笑いで居場所は直ぐに分かった。

「ハッハッハッハッハッ! ハーッハッハッハッハッ!」

 実に楽しそうにサンジェルマンの精神世界を破壊していくレギオンファントム。颯人に並んで念願のサンジェルマンの精神世界を破壊できるのが楽しくて仕方ない解いた様子だ。颯人達にはレギオンファントムの美醜の概念が理解できないが、奴にとってはこのサンジェルマンの精神世界はこの上なく美しいものらしい。そして、それを自らの手で破壊する事に至上の快楽を感じているのだ。

 その暴挙を、黙って見ている颯人達ではない。

「奏ッ!」
「あぁッ!」

 颯人はガンモードのウィザーソードガン、奏はウィザードギアになった事で宝石のような装飾のあしらわれた魔法の杖の様に変化したアームドギアを手にレギオンファントムに攻撃を仕掛けた。

 手始めに颯人の銃撃がレギオンファントムに襲い掛かる。

「おいこっち見ろテメェッ!」
「ん?」

 挑発するかのような颯人の言葉を響く銃声に、レギオンファントムも破壊を止めそちらを見る。すると次の瞬間不規則な軌道を描いて無数の銃弾がレギオンファントムの表皮に突き刺さった。銃弾は表皮の上で弾け、無数の火花を散らせる。

「ぬぐっ!?」
「オラァァッ!」

 颯人の銃弾で動きが止まったレギオンファントムに、奏がアームドギアを振り下ろす。変化前には大矛とも言える形だった槍は、形状を変え石突の部分に宝石を付け穂先が細長い形状に変化している。だが形状が変化しただけで、奏の扱い方は変わっていない。何時も通り大きく振り被り、体重を乗せ勢いよく振り下ろした。

 その一撃をレギオンファントムはギリギリのところで回避した。落雷の様な一撃は何もない所に振り下ろされ、地面は大きく抉られる。
 その際に抉られた地面は、どこか禍々しさを感じさせる光を放ち罅割れていた。

「っとと! くそ、やり辛いな、ここは……!?」

 以前颯人の一件で奏も理解している。このアンダーワールドで
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