第八十四部第五章 宣言に向けてその二十五
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「こちらの要求を飲んでもらうものですね」
「間違いなくあちらもだ」
各国政府もというのだ。
「宣言では言うよりもな」
「水面下で、ですね」
「それよりも遥かに大きな要求を出してくる」
そうしてくるというのだ。
「間違いなくな」
「それが常ですね」
「しかしだ」
「もうそれは、ですね」
「わかっているからな」
「徐々にですね」
「交渉をしていきな」
そしてというのだ。
「お互いに握手をしてだ」
「お互いの要求を飲む」
「そうなる、外交は自分も利益を得るが」
「それと共にです」
カバリエがここで言った。
「相手もです」
「つまりウィンウィンだ」
「そうあるべきですね」
「相手に怨みを抱かせない」
「それが大事ですね」
「ましてやこの度はな」
「こちらもですね」
中央政府側もとだ、カバリエは言った、その顔には余裕があり外相としての確かな経験に基づく自信が見られた。
「充分飲める話ですから」
「構わない、むしろ私はだ」
「軽いですか」
「予想していたよりもな、だが」
「これは、ですね」
「確かに各国政府の権限を守り」
そしてというのだ。
「尚且つな」
「綱引きを引き戻すものですね」
「そうしたものだ」
各国政府が出す宣言で言われることはというのだ。
「よく出来ている」
「そうしたものですね」
「その意味でもよく出来ている」
「自分達の権限を守りかつ中央政府有利の状況を引き戻せる」
「しかもだ」
それに加えてというのだ。
「我々も飲める」
「そうしたものなので」
「いいことだ」
「そうですね」
「よく衝いてきたと思う」
アッチャラーンはこうも言った。
「各国政府は水面下で色々話したと思うが」
「それをまとめ」
「そしてこう言ってきたことはな」
それはというのだ。
「見事な、相手とはいえな」
「自分達にとっていいものであり」
「こちらも飲める」
「そうした要求とはな」
「よく考えてきましたね、では」
「宣言が出たならな」
間もなく出るそれがというのだ。
「その後はな」
「どうするか、ですね」
「君達二人に任せる」
カバリエと金、二人にというのだ。
「そして八条長官にもな」
「お話をしますか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「必要ならな」
「彼にもですね」
「出てもらう」
こう言うのだった。
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