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神々の塔
第三十四話 夜のアリアその十

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「女王さん歌ってる時は神経を集中させてる」
「歌に」
「とんでもなく難しい歌やさかいな」
「そっちに集中せんとやな」
「とてもな」
 それこそというのだ。
「歌えん」
「それでやな」
「攻撃も防御もな」
「出来んか」
「ああ、確かに強力な歌やが」
 それでもというのだ。
「歌ってる間はな」
「狙い目やな」
「能力は落ちててもな」
 このことは事実だがというのだ。
「そやけどな」
「戦えるからか」
「攻められるからな」
「攻めるべきやな」
「弱くなっても攻撃が出来て」 
 そうしてというのだ。
「ダメージを与えられるならな」
「しとくべきやな」
「そやろ」
「ああ、百が七十になってもや」
 それでもとだ、中里も答えた。
「ダメージを与えられるなら」
「それが積もり重なってな」
「倒せるわ」
「そやからな」
「ここはやな」
「攻めるんや、ええな」
「ほなな」
 中里も頷いた、そうしてだった。
 彼も他の者も夜の女王が歌っている時こそ果敢に攻めた、そのうえで神霊に対してダメージを与えていき倒した。
 倒されるとだ、夜の女王は笑って言った。
「見事、それではよ」
「上に進んでええですね」
「いいわ」
 綾乃に確かな笑顔で答えた。
「それが決まりだからね」
「ほなそうさせてもらいます」
「ええ、まだまだ先は長いけれど」
 それでもというのだ。
「頑張ってね」
「登っていくことですね」
「そうしていけばね」
「必ずですね」
「踏破出来るから」
 そうであるからだというのだ。
「いいわね」
「このままですね」
「先に進んでいくのよ」
「そうします」
 綾乃もそれはと答えた。
「これからも」
「そういうことでね、あとね」
「あと?」
「私の歌だけれど」
 夜の女王はこちらの話もした。
「かなり難しいわね」
「はい」
 シェリルが答えた。
「それで有名ですね」
「けれど歌えることは歌えるわ」
 それは可能だというのだ。
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