第九十四話 暦のうえでは秋だけれどその五
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「結構」
「そうでしょ、それはね」
「面白い縁だから」
「ちょっとやそっとじゃない」
「奇遇なものだったのよ」
「奇遇って何よ。まああんた達と先輩の縁はどうでもいいし」
このことはというのだ。
「私はね」
「じゃあ聞かないのね」
「そうしてくれるのね」
「言いたくないならね」
それならというのだ。
「私もね」
「そう。それじゃあね」
「それはそれでね」
「そうでね、しかしね」
一華はさらに言った。
「私もお弁当食べないとね」
「ああ、一ちゃんまだなの」
「まだお昼食べてないの」
二人もそう聞いて反応してきた。
「じゃあこっちで食べる?」
「そうする?」
「そうしていい?」
一華もその言葉を受けて言葉を返した。
「場所探してたし」
「ええ、それじゃあね」
「こっち来て」
二人は一華ににこりと笑って手招きさえしてきた。
「それで食べよう」
「三人でね」
「それじゃあね、しかしね」
一華は二人に応えて神社の境内に向かいつつ笑って言った。
「これも縁ね」
「そうよね」
「一緒にお弁当食べるのもね」
二人は自分達の左横に座った一華に笑顔で応えた。
「縁よね」
「これもまたね」
「そうよね、じゃあこの縁を大事にして」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「お昼食べよう」
「三人でね」
「そうしましょう」
二人に笑顔で言ってだった。
一華は自分の鞄から弁当箱を出した、そしてそれを食べていった。そして三人で一緒に食べてからだった。
一華は二人に笑顔で言った。
「こうした場所で食べるのもいいわね」
「ええ、神社の境内でね」
「お外で食べるのもね」
二人も笑顔で応えた。
「いいわよね」
「風情があって」
「そうね、お外で食べること自体もいいけれど」
それでもというのだ。
「神社の境内もね」
「いいでしょ」
「私達もそう思うわ」
二人も笑顔で応えた。
「それでよく食べるのよ」
「こうして二人でね」
「そういえばあんた達ってあれよね」
一華は二人にこう言った。
「幼馴染みなのよね」
「そうそう、幼稚園から一緒でね」
「高校じゃ同じ部活だし」
「ずっと一緒にいるね」
「幼馴染みなのよ」
「そうだったわね、この街に生まれ育った」
八条町にというのだ、この学校がある。
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