第九十四話 暦のうえでは秋だけれどその四
[8]前話 [2]次話
「もうね」
「ゴムは欠かせないわね」
「本当に赤ちゃん出来たらね」
「退学ものね」
「普通はそうよね」
「高校生だとね」
一華も真顔で答えた。
「そうなるわね」
「十六歳で結婚出来ても」
同級生はこのことも話に出した。
「けれどね」
「それでもよね」
「実際はどうかっていうと」
「高校生で結婚って」
一華はその顔に自分が今から言う言葉をそのまま出して同級生に言った、同級生もその言葉を彼女の顔に観た。
「ないわよ」
「そうよね」
「そんなのとてもよ」
「一ちゃんは考えらないわね」
「あんたもでしょ」
「ええ、結婚出来て」
そしてというのだ。
「子供が出来ても」
「あれね」
一華は真顔で言った。
「高校に通ってるとね」
「ないわよね」
「結婚も子供もね」
「それは大学に入ったら」
「いいわね」
「学生結婚ね、というか大学で結婚も」
それもとだ、同級生はこう言った。
「まずね」
「ないわね」
「就職してからね、かなちゃんざないけれど」
「そうしたことは先ね」
「今の日本だとね」
こうした話をしてだった。
一華は同級生が部室を出たのを見て自分も昼間で時間を潰すことにした。広い学園内部を歩いているとだった。
学園内にある神社の境内で林田聖花と森本愛実、一華の同級生でありクラスメイトでもある二人がいたので声をかけた。
「二人共どうしたの?」
「あっ、ちょっとね」
「ここで先輩とお話してたの」
二人は一華に社の階段のところに並んで座って弁当を食べながら答えた。
「青木先輩ね」
「この神社の巫女さんの」
「ああ、あのトライアスロン部の」
青木という名前からだ、一華はその人の聞いたことを思い出して言った。
「大酒飲みだっていう」
「そう、あの人よ」
聖花は一華にその通りだと答えた。
「あの人に誘われてなのよ」
「私達ここに来たのよ」
愛実も言ってきた。
「それでお話終わってね」
「時間まだあるから」
「ここでお昼食べてるの」
「先輩にここで食べたら景色いいからって言われてね」
「そうだったのね、あんた達青木先輩と顔見知りだったのね」
一華は意外という顔で述べた。
「あんた達二人共かるた部でね」
「青木先輩トライアスロン部でね」
「学年も違うし接点ないわね」
「だから知り合いって言われて」
それでというのだ。
「意外に思ってわ」
「まあ私達もね」
「最初は先輩と縁なかったしね」
「縁出来たのってね」
「ひょんなことからだしね」
「そのひょんなことが気になるわね」
一華はそれはと言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ