第九十四話 暦のうえでは秋だけれどその三
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「私達もね」
「ゴム持ってるのね」
「かな恵もね」
その彼女もというのだ。
「そうなのよ」
「成程ね」
「若しそうしたことになっても後何もないなら」
妊娠なり感染なりがというのだ。
「いいしね」
「いざという時の備えね」
「それ言われて使い方もよ」
ゴムのそれもというのだ。
「具体的に言うと付け方もね」
「知ってるのね」
「使った後どう処理するかもね」
このこともというのだ。
「ちゃんとね」
「知ってるのね」
「私達もね」
かな恵も含めてというのだ。
「そうなのよ」
「まあ知っておくに越したことはないわね」
それはとだ、同級生も答えた。
「やっぱりね」
「そうよね」
「知ってたらね」
それならというのだ。
「本当にね」
「それだけで違うわね」
「冗談抜きで何時何があるかわからないのよ」
「それあんたのこと?」
「そこはご想像に任せるってことで」
ここでもこう言ったのだった。
「いいわね」
「はぐらかすわね」
「まあまあ。それでもゴム持っててね」
それでというのだ。
「使い方わかってたら」
「いざという時助かるのね」
「まさかあんた赤ちゃん欲しくないでしょ」
「高校生でそれはないでしょ」
一華は即座に答えた。
「流石に」
「そうでしょ」
「だからね」
それでというのだ。
「私もよ」
「だったらゴムを持っていてね」
「使い方わかってると」
「それに越したことはないわよ」
「シビアな現実ね」
「ドキュンが何も考えないで子供作って」
同級生は眉を顰めさせてこうした話もした。
「虐待とかしたらね」
「それあるわよね」
「世の中そうした奴もいるからね」
「腹立つことにね」
一華はこの本音も出した。
「いるわね」
「そんな奴を見てもよ」
「ゴムは必要ってことね」
「そういうことよ」
まさにというのだ。
「本当にね」
「よくわかったわ、ただあんたこれから校内デートよね」
「部活まではね」
「そんなことは出来ないわね」
「見付かったらアウトだからね」
現実としてというのだ。
「退学もあるから」
「それも普通にね」
「だからね」
そうした事情があるからだというのだ。
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