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夢幻水滸伝
第三百十三話 シカゴの医師その二

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「お気になさらずに」
「そうですか」
「そしてです」
 ルイスは院長にこんなことも言った。
「私はこの世界を救う一人とのことですが」
「この世界で言われていることです」
「そうですね、ですが具体的に何をすべきか」
 このことがというのだ。
「わかりません」
「そうなのですか」
「一体どうすれば」
 考えつつ言うのだった。
「わかりません」
「ではとりあえずです」
 院長はルイスの話を聞いて少し考えてから答えた。
「市長に会われてはどうでしょうか」
「この街のですね」
「はい、シカゴの」
 そうしてはというのだ。
「如何でしょうか」
「そうですね」
 ルイスは院長の提案を受けて頷いた。
「まずはですね」
「そうされて」
「そのうえで、ですね」
「これからのことを考えられては」
「そうさせてもらいます」
 ルイスは素直な声で答えた、そうしてだった。
 実際に院長の紹介で市長と会った、市長は市庁舎の自室において彼を出迎えた、市長はホビットの老人の男だった。
 市長はルイスと握手をした後で向かい合って市長室のソファーに座ってだ、開口一番唸る様に言った。
「恐ろしいまでのステータスと特技ですね」
「高いですか」
「桁が違います」
 自覚がないルイスに述べた。
「私共と比べますと」
「そういえば」
 ルイスは市長のステータスを確認して述べた。
「かなり違いますね」
「私で三十ですが」
「職業は風水師で」
「かつては冒険者でして」
 ルイスに自分のことを話した。
「結構無茶をしてきました」
「そうだったのですね」
「それがこの街で働く様になって」
「そうしてですか」
「市議会議員となり」 
 そうしてというのだ。
「政に携わりだし今はです」
「市長さんですね」
「はい、この世界に元からいる者でレベルにして四十を超える人はまずいません」 
 そうした状況だというのだ。
「とても」
「それで私はですか」
「そのレベルなので」
 だからだというのだ。
「もうです」
「桁が違いますか」
「何もかもが」
 ステータスも特技もというのだ。
「レベル一と四十では比べ様もないというのに」
「二百数十になりますと」
「神霊の域ですから」
 そこまでの能力だからだというのだ。
「全く違います」
「そうなのですね」
「それだけの能力でしたら」 
 市長はさらに話した。
「かなりのことが出来ます」
「この世界を救うことも」
「この州を救うことは言うまでもないですね」
「イリノイ州をですか」
「はい、この州は今厄介な状況下にあります」
 ここで市長はその声を暗くさせて述べた。
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