第十八章
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「俺そういう顔してるだろ」
「話は聞いたよ」
良太郎は自転車から離れゆっくりとカイに近付いていく。足元を土埃が舞いそれを足元に回せたままカイに向かっていた。
「君はスサノオだったんだね」
「ああ、そういえばそうだったな」
言われてそれを思い出した感じの表情を見せる。
「俺はスサノオだったんだ、そうだったんだ」
「今まで忘れていたの?」
「とりあえずな」
何か今一つピントの合っていない言葉だった。
「そんな感じだったな」
「そう。覚えていなかったんだ」
「けれど今の御前の言葉でもう一つ思い出したぜ」
「何を?」
「それは俺のことか?」
ここで良太郎の後ろにもう一人出て来た。それは牙王だった。
「牙王。どうしてここに」
「俺達はな、待っていたんだよ」
良太郎を横目に眺めつつ足を進めつつ語る。
「御前が一人になる時をな」
「ほら、俺はスサノオなんだよ」
今度はカイが良太郎に言ってきた。
「だから自然と特異点が邪魔になるわけだ」
「といってもただ御前が何も知らないまま倒しても何も面白くはない」
牙王も言う。
「だから御前がある程度を知ってそのうえ」
「そのうえ?」
「一人で戦うに相応しい場所に来たその時にね」
「俺達は御前を倒すつもりだった」
「それがこの場所」
良太郎は二人の言葉を聞きつつ目の前のアリーナを見る。こうして見ると実に巨大な。今その前で二人と対峙しているのであった。
「アリーナの前」
「楽しまないとむかつくんだよ」
カイはまた笑っていた。
「退屈が一番嫌いなんだよ」
「あの店の前でただ出て来て御前を倒しても面白くとも何ともない」
牙王は完全に良太郎の後ろに来た。前後を完全に抑えられた。
「もう御前の姉にも興味はないしな」
「あるのは御前等だけ」
牙王とカイの言葉は続く。
「御前っていう特異点を始末しておきたいんだよ」
「僕を。何の為に」
「ああ、それは」
カイが良太郎の今の言葉に答えようとする。ところが。
「んっ、何でだったかな」
「忘れたか」
「ああ、悪い悪い」
笑って牙王に対して答える。こうした異様な物忘れは相変わらずだった。
「そうだ、御前を過去に行かせない為だ」
「僕を過去に」
「ちょっと三十六年前にやることができたんだよ」
こう良太郎に言ってきたのだった。
「三十六年前!?その時に一体何が」
「まあ御前を含めたライダー達に関わることだけれどな」
「そうか、やはりな」
ここで誰かの声が聞こえてきた。
「んっ!?誰だ?」
「三十六年前。これで謎が解けた」
その声はアリーナの観客席の方からだった。
「何故あの時二人の名前がありそうしてライダーシステムが開発され。そのうえ」
「ショッカーとでもい
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