第七十三話
[8]前話 [2]次話
第七十三話 冷気に対するもの
カーミラが巨大な氷の流星を雨の如く降らせてきてもだった、博士は車椅子に座ったまま落ち着いていた。
「ふむ。そう来たか」
「ええ、どうかしら」
「奇麗な攻撃じゃ」
こうカーミラに答えた。
「実にな」
「そう言ってくれるのね」
「しかし当たるとな」
その攻撃がというのだ。
「わしとて只では済まぬ」
「その攻撃にどうするのかしら」
「氷には弱点がある」
博士は眉一つ動かさずに言った。
「まさにな」
「その弱点を衝くのね」
「こうしてな」
博士が車椅子のボタン右手の傍にあったそれを押すとだった。
博士が乗っている車椅子の周りに炎の渦が出た、その炎は。
「ああ、赤から青になって」
「遂に白くなったな」
タロとライゾウがその炎の渦を見て話した。
「白い炎ってな」
「凄く熱いんだよね」
「それだけの炎ならな」
「氷でも溶けるね」
「それも瞬時にだよ」
ライゾウの言う通りだった、氷の流星雨達は。
瞬時に溶けていった、それでカーミラも言った。
「そうきたわね」
「想定しておったな」
「博士ならね」
それならというのだ。
「もうね」
「そうしてくるとじゃな」
「思っていたわ」
実際にというのだ。
「私もね」
「そうであるな」
「ならこれで終わりよ」
カーミラは微笑んで言った、そしてだった。
氷を止めた、それからまた博士に言った。
「次の攻撃に移るわ」
「そうするか」
「ええ、今度はこれよ」
この言葉と共にだった。
今度は不気味な紫の霧を出した、それは何かというと。
「少しでも触れれば大変なことになるわ」
「毒霧か」
「ええ、これはどう防ぐのかしら」
楽しんでいる笑顔での言葉だった。
「一体」
「ふむ、どうしたものか」
博士は今も余裕のある笑みだった、その笑みで以てまた対するのだった。
第七十三話 完
2023・6・25
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ